マスク氏 米国際開発庁の閉鎖を発表

2025/02/04 更新: 2025/02/06

イーロン・マスク氏は2月3日、ドナルド・トランプ大統領の承認を得て、米国際開発庁(USAID)と呼ばれる連邦機関を閉鎖すると発表した。マスク氏は政府支出の引き締めと効率性の向上に注力する政府効率化省(DOGE)を率いている。

マスク氏はソーシャルメディアプラットフォーム「X」のライブセッションで「トランプ大統領は、この機関を閉鎖すべきことに同意した」と述べた。

米国国際開発庁(USAID)は、1961年11月3日にジョン・F・ケネディ大統領が署名した「対外援助法」に基づき設立された連邦政府機関である。非軍事分野の海外援助を統合する目的で創設され、2023年度の予算は約500億ドル(約7兆円)で世界最大規模の公的援助機関の一つとされる。2023年度時点で、請負業者に加えて1万人以上の職員を抱えていた。職員は世界中の数十か国に駐在している。

マスク氏は、「これは一部に虫が食ったリンゴなどではないことが明らかになった。我々が抱えているのは、ただの虫の塊だ。基本的に、これを全部取り除かなければならない。修復不可能だ」と語った。

マスク氏はXの投稿でこう付け加えた。「我々は週末、USAIDを木材粉砕機に投入した」

即時閉鎖の背景

USAIDワシントン本部は3日、全職員に対して建物への立ち入りを禁止する通知を発令。同日午前0時45分頃には約600人の職員がシステムへのアクセス不能を報告し、電子メールで「本日は在宅勤務を」との指令が送られた。この措置は、マスク氏率いるDOGEチームが2日夜に機密情報へのアクセスを要求した際、USAIDの安全保障局長ジョン・ボーヒーズ氏らが、セキュリテイ・クリアランス不足を理由に、拒否したことが発端だと言う。

トランプ大統領の姿勢

トランプ大統領は2日の日曜夜、記者団に対し「USAIDは過激な狂人集団によって運営されてきた」と語り、「我々は彼らを追い出し、その後で決断を下すつもりだ」と語った。マスク氏は「大統領と複数回協議し、完全な合意を得た」と述べ、閉鎖プロセスが正式に開始されたことを強調した。ここ数日で数百人の請負業者が解雇され、ウェブサイトも突然消滅するなど、急速な組織解体が進んでいる。

今後の展開

米国務省のマルコ・ルビオ長官は3日、USAIDの暫定管理者に就任したと表明。民主党は法的根拠を巡り異議を唱えており、今週中に緊急会合を開催する方針だ。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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