トランプ大統領が提示した早期退職優遇制度を、2万人以上の米連邦政府職員が応じたことが、政府関係者の話で明らかになった。これは政府職員全体の約1%に相当する。締め切りとなる2月6日までに、さらに多くの職員が応じる見通しだ。
「現時点の2万人という数字は最新ではない。辞職を延期している職員の数は急増しており、締め切りの24〜48時間前に最大の増加が見込まれる」と、政権関係者は大紀元に語った。
政府高官がニュースサイト、アクシオスに対し、約2万人の連邦政府職員が先週トランプ政権が提示した早期退職優遇提案を受け入れたと語った。
米連邦政府には約230万人の職員が在籍しており、その多くは厳格な雇用保護制度の下にある。現在の制度では、職員を解雇するまでに平均18か月以上を要し、場合によってはさらに長期化する。
米労働統計局のデータをピュー・リサーチ・センターが分析したところ、連邦政府職員の平均年収は約10万6400ドル(約1660万円)。国勢調査局によると、全米の世帯年収の中央値は7万5149ドル(約1170万円)とされている。
連邦政府職員の10%が早期退職優遇制度を受諾した場合、政府支出は240億ドル以上削減される見込みだ。米人事管理局のデータによれば、連邦政府の年間離職率は通常6〜8%で、その大半は定年退職によるものとされている。
今回の退職優遇制度は、トランプ大統領が掲げる「政府の規模とコスト削減」の一環であり、その実施を担っているのは、実業家のイーロン・マスク氏がリーダーを務める政府効率化省だ。
この制度では、退職を選択した職員に対し、8か月分の給与と福利厚生が保証されるほか、勤務先への毎日の出勤義務が免除される。さらに、多くの省庁で今後実施されるとみられる人員整理の対象から除外される。
しかし、連邦政府職員の最大の労働組合「米国行政府職員連合(AFGE)」(約80万人の組合員を擁する)は、職員に対し退職を思いとどまるよう呼びかけている。
「現時点では、政権側がこの制度の条件を確実に履行できるかどうか、また議会がこの大規模な政府再編を支持するか不透明な状況だ。さらに、割り当てられた予算をこのような形で使用できるのかといった問題も指摘されている」と、AFGEは2月3日に組合員向けのメールで警鐘を鳴らした。
一方、米人事管理局の関係者は、労働組合側が早期退職優遇制度について誤った情報を伝えていると批判している。
人事管理局広報担当者のマクラウリン・ピノバー氏は大紀元に応じ、「労働組合や一部の政治家が職員に退職を思いとどまるよう促すのは、職員にとって不利益になりかねない」と語った。
「この制度は、慎重に検討された極めて手厚い制度であり、職員の政府再編への対応を支援する目的で導入された。誤った情報を流し、職員を政治的な道具として利用するのではなく、職員が自身と家族にとって最善の決断を下せるよう、正確な情報を提供すべきだ」と指摘した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。