アメリカのピート・ヘグセス国防長官は13日、北大西洋条約機構(NATO)国防相会合後の記者会見で、中国の軍事的脅威に対して、アメリカ単独では抑止できないとの認識を示し、日本を含むインド太平洋地域の同盟国との連携強化の必要性を訴えた。
ヘグセス長官は「中国共産党の野心はあらゆるところで脅威になっている」と述べ、中国の軍事力拡大に対する警戒感を表明した。そのうえで「中国の脅威について現実を理解しているインド太平洋地域の同盟国やパートナーと協力することが重要だ。アメリカだけでは中国を抑止することはできない」と発言し、日本、韓国、フィリピン、オーストラリアなどとの連携強化の方針を示した。
この発言は、近年の中国の軍事力増強を基にして背景を反映している。日本の防衛省が公表した「中国安全保障レポート2025」によると、中国は経済協力を梃子にアジア・アフリカなどの新興国・途上国への影響力を強めており、台湾や海洋権益など中国の「核心的利益」を守るため、一方的な現状変更の試みを正当化しようとしていると分析されている。
ヘグセス長官は前日12日にも、ウクライナへの軍事支援を協議する会議で、アメリカは中国が発生させている脅威への対応を優先させることが必要だとして、ヨーロッパ各国にウクライナ支援でのより大きな役割を求めていた。
一方で、13日の会見では中国との衝突は望まないとする考えも強調し、トランプ大統領と習党首との関係は良好だという認識も示した。
この発言により、アメリカの対中政策において、日米同盟の強化や、インド太平洋地域での多国間協力の重要性が改めて強調された。
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