中国共産党の神韻芸術団に対する妨害行為がエスカレートしており、爆破、銃乱射予告が送り付けられる。
米国務省は、北京当局とその「代理人」による、神韻芸術団を標的とした妨害行為を非難した。表現の自由を保障する措置を求めている。
米ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は、中国本土で失われた中国伝統文化の復興を使命に活動している。神韻の演目では、「真・善・忍」を原則とする心身修養に取り組む法輪功学習者が中国共産党による人権侵害に遭う場面も描かれる。中国共産党は過去25年間にわたり、法輪功を根絶しようとしてきた。
2006年に神韻芸術団が創設されて以来、同団体は中国共産党による絶え間ない妨害に直面してきた。中国共産党による法輪功迫害を記録している非営利団体「法輪大法情報センター(FDIC)」によれば、北京当局とつながりのある外交官や工作員による神韻巡回公演への妨害行為は130件以上確認されている。
妨害行為は最近さらにエスカレートし、中国共産党の工作員と思われる人物が、爆破予告、銃乱射予告といった数十の脅迫メールを神韻芸術団および法輪功を支持する議員に送り付けている。
米国務省の広報官はエポックタイムズの取材に対し、「我々はそのような脅迫行為を非難し、表現の自由が守られることを求める」と述べ、「中国共産党に対して、25年にわたる法輪功弾圧をやめるよう要求する」とした。

広報官によれば、米国務省が2023年に発行した「年次信仰の自由に関する国際報告書」では、「複数の国において法輪功学習者および神韻芸術団に対する妨害行為が記録されている」
ここ数週間、フランス・ディジョンにある劇場が神韻芸術団の受け入れに際して爆破予告を受け取り、地元警察に安全確認を求める事態となった。2月3日に、イギリス・ウォーキングの劇場で、1月18日にはポーランド・ウッチの劇場で同様の事件が発生した。
1月13日には台湾にある劇場のチケット売り場で、1月10日にはカリフォルニア・バークリーの劇場でも似たような事態が発生した。ニューヨークの神韻本部では、同じころに爆破予告と銃乱射予告が送り付けられた。
中国共産党は15年にわたり、外交的な圧力を通じて神韻の巡回公演を妨害し続けてきた(かつて韓国では神韻公演を中止)。それが今や、直接的な脅迫状へとエスカレートしている。
韓国での公演中止に関してエポックタイムズが調査したところ、中国大使館は、当時韓国に対して神韻公演は違法であると伝えたことを公に認めた。

今のところ、相次ぐ脅迫状の内容が実行されたことはないが、懸念はワシントンのみならず世界中に広がっている。イギリス議会議員のジム・シャノン氏は2月6日の定例議会でこの問題を提起した。
シャノン氏は人権報告書を引用し、「25年に渡り、中国の法輪功学習者は中国共産党による絶え間ない迫害に苦しんできた」と、信仰を理由に投獄、強制労働、拷問に晒されてきた状況を指摘した。
内部告発者の情報によれば、中国当局は妨害活動を世界中でエスカレートさせている。
中国共産党党首の習近平は2022年に非公式の場で、法輪功妨害キャンペーンの強化を指示したとされる。漏洩した中国公安当局上層部の内部メモにも、それを裏付ける情報が含まれていた。
これに対してシャノン氏は、「中国共産党が工作員、ソーシャルメディア、偽情報、法輪功学習者への嫌がらせといったネットワークを駆使し、世界的な規模でこれまで以上に法輪功を根絶する取り組みを強化しているということだ。それはここイギリスにまで及んでいる」と警告した。
「このような中国共産党による国際的な妨害キャンペーンは深刻な問題だ」「信仰の自由にとどまらず、イギリスが大切にする価値観、民主主義、そして法の支配が傷つきかねない」
シャノン氏は英国政府に対し、「法輪功迫害や神韻公演への干渉といった国境を越えた中共の弾圧行為に対して、イギリス政府は国内において早急に調査し、阻止するつもりはあるのか」と疑問を投げかけた。
イギリスのルーシー・パウエル下院議長は、シャノン氏がこの「宗教や信仰の自由という重要な問題」を提起してくれたことに支持を示した。
ここ数か月の間にイギリスの外相と財務相はそれぞれ中国を訪問しており、中国側と当該問題を議論した。パウエル氏は、「イギリスはこれらの問題を大変深刻に見ている」と語った。


偽情報戦略
FDICが8月に公表した報告書によれば、中国共産党はアメリカにおいて世論の分断を煽り、精神修養者に対して法的に妨害する戦略を打ち出した。インフルエンサーや欧米メディアに対して影響工作を仕掛け、偽情報や誤った主張を拡散している。
ニューヨーク・タイムズ紙(以下、NYタイムズ)は過去半年間にわたり神韻芸術団と法輪功を攻撃する記事10本を発表した。とある中国系アメリカ人の男は動画投稿サイトにて法輪功を「敵」とみなし、同報道への貢献を高らかに宣言していた。
昨年8月、NYタイムズの報道が流れた直後に同男性はX(旧Twitter)上で、「NYタイムズに元神韻アーティストを紹介したのは私だ」「記者たちは私の紹介を基点に取材対象を拡大していった」と主張した。
2023年、男がニューヨーク北部の神韻キャンパス付近で目撃された際、米連邦捜査局(FBI)はこの男性が「武装しており危険な可能性がある」として法執行機関に警告を出していた。その後、男は逮捕され、違法な銃器所持の罪に問われている。
中国共産党の内部情報をFDICに提供した複数の内部告発者が、その男性が当局に利用され法輪功を中傷する情報を拡散していた人物だと認めた。
FDICの報告によれば、NYタイムズは神韻に対して不満を持つ少数の元アーティストへの取材に偏っており、取材を受けた者のうち少なくとも3人は北京舞踊学院と繋がりを持っていることを報じなかった。
北京舞踊学院は中国国営の教育機関で、FDICは「中国共産党が世界中で神韻を妨害するために同機関を利用している」と指摘した。

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