岸田前首相襲撃事件の公判で、和歌山地裁は19日、殺人未遂などの罪で木村隆二被告に懲役10年を言い渡した。
和歌山市で2年前、選挙演説に訪れた岸田文雄前首相らにパイプ爆弾を投げつけたとして、殺人未遂などの罪に問われた無職の木村隆二被告(25)の公判で、和歌山地裁は19日、懲役10年を言い渡した。
2023年4月15日、和歌山市の雑賀崎漁港で、岸田氏が選挙応援演説を行っていた際、黒色火薬を詰め込んだ爆弾が投げつけられる事件が発生した。岸田氏は即座に避難し無事であったが、爆発により2人が軽傷を負った。兵庫県川西市の無職の木村被告が現場で逮捕された。
同事件は、2022年7月の安倍晋三元首相の暗殺事件から約9か月後に発生し、日本の政治家に対する安全対策の重要性を再認識させることとなった。
4日に和歌山地方裁判所で初公判が開かれた。爆発物による殺害の有無、人を傷つけたりする目的があったかが争点となった。
殺人未遂や公職選挙法違反、火薬類取締法違反など5つの罪に問われた木村被告は殺意を否認し、「注目を集め、自分の考えを世間に伝えたかった」などと述べていた。被告は以前、2022年7月の参議院選挙に立候補しようとしていたが、年齢制限と供託金の問題で断念していた。
19日の裁判員裁判の判決では、和歌山地裁の福島恵子裁判長は木村被告に懲役10年の判決を言い渡した。検察は懲役15年を求刑し、殺意を否認した弁護側は傷害罪が適当だとして懲役3年が妥当だと主張していた。
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