中国スーパーリーグ 韓国ファンによる「報復」を恐れて試合棄権?

2025/02/20 更新: 2025/02/23

中国スーパーリーグの山東泰山は19日、この日に予定されていた1次リーグ最終第8戦の韓国・蔚山との試合への不参加を決定した。

これにより、アジアサッカー連盟(AFC)は山東泰山の大会撤退を認定した。

なお、山東泰山は中国スーパーリーグで過去5度の優勝を誇る名門で、ここまでの7試合で3勝1分け3敗の勝ち点10で東地区グループリーグの8位につけており、ノックアウトステージ進出圏内にいた。

ファンも困惑した「試合当日、それも2時間前にばっくれ」という、この前代未聞の事態。

 

「棄権理由」

「なぜ韓国戦を棄権したのか」。その理由について、山東泰山は「選手の深刻な体調不良が発生し、試合に出場できるチームを編成することができなかったから」と公式アカウントを通じて説明した。

しかし「いくら体調不良者が出たからって、チーム編成ができないのはおかしい」と考える人は多く、公式な棄権理由を疑問視する声は大きい。

一部の韓国メディアは「突然の試合棄権」と「中国ファンの度を超えた挑発行為」が関係しているのではないかと報じている。

というのは、これに先立つ12日に行なわれたACLEのリーグステージ第7節で、山東泰山が韓国の光州FC(プロサッカークラブ)と対戦した際、山東ファンの度を超えた挑発行為が光州サイドや韓国メディアを激怒させたからだ。

山東ファンはなんと、スタンドで故チョン・ドゥファン元大統領の顔が描かれたプラカードを持ち出した。

故チョン・ドゥファン元大統領といえば、民主化を求める市民や学生を弾圧して多くの死者を出した「光州事件」を指揮したことでも知られている。

つまり「光州事件」と「光州FC」をかけて揶揄したものと考えられ、韓国側は「韓国を侮辱する行為だ」と、強い怒りを表明したと言う。

その後、山東泰山は「一部観客の失礼な行為は、決して山東泰山と泰山ファンを代表するものではない」として謝罪声明を出しているが、韓国側の怒りはそう簡単に収まりそうもない。

 

画像(左)は中国ファンが掲げた故チョン・ドゥファン元大統領の顔が描かれたプラカード。画像(右)は「タンク」の写真を手に会場で報復を企む光州ファンが「たくさんいる!」と伝えるSNS投稿。(スクリーンショット)

 

「報復」

「突然の試合棄権」の日、「報復」を企む大勢の光州ファンは、それぞれの手に中国共産党当局が厳しく封じ込めようとしている「六四天安門事件の関連」の敏感写真を印刷したプラカードを持って、会場に向かったそうだ。

この驚愕の知らせを聞きつけた中国大使館は急遽、山東泰山に試合不参加を命じたと噂されている。

中共当局が最も世界に見せたくない、いや中国人に見せたくない六四天安門事件の関連写真が世界中で中継されるのは、本当にマズイことであろう。

この韓国ファンによるあまりに機転の利いた「報復」の話題は華人圏でも炎上している。「マズイぞ。ああこれで中国への最も有効な対処法が、世界中に知られてしまったじゃないか」と揶揄する声が目立つ。

 

中国共産党当局が厳しく封じ込めようとしている有名な「敏感な写真」の1つ、六四天安門事件での市民の抗議の象徴ともなっている「タンクマン(前進する戦車の列の前に立ちふさがる男性)」の写真。

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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