東京商工リサーチの調査によると、企業の52.3%が人手不足の影響を実感していることが明らかになった。この調査は2025年2月に「人手不足に関するアンケート」として実施された。
人手不足の影響
人手不足による企業活動への負の影響は、全体で52.3%の企業が報告している。規模別では、大企業が60.7%、中小企業が51.6%と、大企業の方が9.1ポイント高い結果となった。
産業別では、以下の順で影響が大きいことが判明した:
1. 建設業: 67.9%
2. 運輸業: 66.5%
3. 情報通信業: 56.5%
一方、影響が少なかった業種は不動産業(30.2%)、金融・保険業(36.5%)、卸売業(46.5%)だった。
具体的な影響
人手不足の具体的な影響として、以下が報告された:
– 既存従業員の作業負担増加: 51.6%
– 既存従業員の労働時間増加: 39.6%
– 受注や来店予約を断った: 35.7%
特に中小企業では、受注や来店予約を断ったケースが36.9%と、大企業の22.4%を14.5ポイント上回った。
賃上げとの関連
人手不足による負の影響がある企業の88.3%が賃上げを実施すると回答した。一方、影響がない企業では80.4%にとどまり、7.9ポイントの差が見られた。
今後の課題
人材確保に向けては、賃上げだけでなく、業務効率化による従業員負担の軽減や柔軟な働き方の導入など、多様な施策が求められている。
2024年の「人手不足」倒産は290件(前年比82.3%増)と、2013年以降で最多を記録した。この状況を踏まえ、企業は人材確保と維持のための戦略を早急に検討する必要がある。
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