東京商工リサーチの調査によると、2024年3月の日本銀行によるマイナス金利政策解除以降、金融機関の貸出金利引き上げが加速している。
金利構成の変化
2024年12月と2024年3月を比較すると、以下のような変化が見られた。
– 0.50%未満の貸出金残高 33.1%から18.7%へ14.4ポイント縮小
– 0.50%以上1.00%未満 38.1%から43.4%へ拡大
– 1.00%以上1.50%未満 16.1%から22.5%へ拡大
– 1.50%以上2.00%未満 6.3%から7.9%へ拡大
これらの数字は、金融機関が低金利から「金利ある世界」へ移行していることを示している。
金利引き上げの課題
2025年1月の政策金利引き上げにより、貸出金利の追加利上げが予想される。しかし、一部の金融機関は企業向け貸出金利の一斉引き上げに懸念を示している。その理由は以下の通りだ。
1. 業績が厳しい取引先の金利は既に引き上げている
2. さらなる金利上昇は倒産リスクを高める可能性がある
3. 一部の取引先では金利引き上げ交渉を保留するケースも出ている
今後の展望
金融機関と経営状態の良好な優良企業との間で、貸出金利「1%」を巡る交渉が本格化すると予想される。債務者区分と金利の調整期間に入ったとも言える状況だ。
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