2024年、日本の出生数が過去最低を更新し、72万988人となったことが厚生労働省の人口動態統計で明らかになった。この数字は前年比5.0%減で、9年連続で過去最少を更新している。日本人のみの出生数は70万人を下回る可能性が高いとしている。
1899年以降の統計で最も低い数字となった2024年の出生数は、10年前の2014年と比較すると約28.2万人、率にして28%の減少となっている。この急激な減少は、政府や専門家の予測を大きく上回るペースで進行している。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2023年4月に発表した将来人口推計では、出生数が72万人台になるのは2039年と予測していた。しかし、実際にはその予測より15年も早く、この水準に達してしまった。社人研の2024年の出生数予測は、最も可能性が高いとされる「中位推計」で77万9千人だったが、現実はより厳しい「低位推計」の69万人に近い結果となった。
この急速な少子化の進行は、日本社会に深刻な影響を及ぼすと考えられている。特に、現役世代の社会保険料負担が増加することを懸念している。また、労働力不足や地域社会の衰退、社会保障制度の持続可能性への影響も指摘している。
政府は少子化対策として、児童手当の拡大や育児休業給付の増額などの施策を実施している。
少子化の要因としては、晩婚化や未婚率の上昇、子育てにかかる費用の増加、仕事と家庭の両立の難しさなどが挙げられている。これらの課題に対し、政府は「前例のない対策」を講じる方針を示しているが、その効果はまだ明確には現れていない。
日本の人口動態の変化は、学校の統廃合や地域社会の変容など、社会全体に広範な影響を及ぼしつつある。今後、この問題にどう対応していくかが、日本社会の大きな課題となっている。
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