政治的禁書を盗み見ることが、中共内部で流行している。その罪名は失脚した官僚たちの間でますます頻繁に見られる。評論家は、中共が官僚の禁書閲覧を忌み嫌う理由は、それが党の崩壊を加速させる可能性があるからだと指摘している。
中共中央規律検査委員会国家監察委員会のウェブサイトは2月19日、甘粛省政協提案委員会の元副主任閻暁輝(えん・ぎょうき)が立案審査取調べを受けたと発表した。彼に対する通報の中で最も重要な罪名は「深刻な政治的問題のある書籍を私的に閲覧した」ことだ。
同じく19日、中国工商銀行の元副行長 張紅力(ちょう・こうりき)も、収賄で死刑執行猶予判決を受けた際に「深刻な政治的問題のある書籍を閲覧した」との罪名が通報されていた。
近年、禁書を盗み見たとして通報される中共の官僚が増加している。重慶市豊都県国土房管局局長の李強華(り・きょうか)、貴州元副省長の王暁光(おう・ぎょうこう)、甘粛省政府前参事の王歓祥(おう・かんしょう)、中国銀行前董事長の劉連舸(りゅう・れんか)、国家開発銀行前副行長の周清玉(しゅう・せいぎょく)、北京市国資委前主任の張貴林(ちょう・きりん)などがその例だ。
これらの官僚が所属する省には、経済的に強い省と後進地域が存在する。
米国在住の中国学者である呉祚来(ご・そらい)氏は、中共の上層部も禁書を非常に重視していると述べている。
呉祚来氏は次のように述べている。
「私が北京にいたとき、ある本に高官に関する記述を見つけた。それで、その高官のスタッフに『この本にはあるリーダーについて書かれているが、私が一冊持ってこようか? 地元の露店で手に入れることができる』と尋ねた。彼はすでにその本を持っていると言った。彼らもそれを購入して読んでいる。何かが暴露されたのではないか、あるいは政敵が彼を攻撃しているのかもしれない。一部の官僚は、海外に出る機会や友人を利用し、さらには露店で多くの禁書を手に入れている」
中国の元人権弁護士呉紹平(ご・しょうへい)氏は、中共の官僚が政治的禁書を読むのは、正確な分析と判断を行うためだと述べている。
「中共の官僚社会は非常に高圧的な状況にあり、そのため官僚たちは正確な分析や判断を行うことができない。これは彼らにとって非常に危険な状況であり、特に上層部に進むほど、失敗した場合には官職を失うだけでなく、命を落とす危険性もある」
『中共紀律処分条例』によると、深刻な政治的問題を含む書籍や音像製品には、中共の四つの基本原則に反するものや、改革開放政策に反するもの、中共の統一を破壊するもの、指導者のイメージを傷つけるもの、または党史・軍史と一致しない内容が含まれる。
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