複数の米連邦下院議員が、新任の米国家情報長官トゥルシー・ギャバード氏に書簡を送り、中国共産党高官の汚職と隠し資産に関する報告書の早期公表を要求した。この報告書が公開されれば、中国共産党政権に、前例のない衝撃を与える可能性がある。
2月26日、共和党のアンディ・オグルズ下院議員と他3名の議員が、ギャバード長官に書簡を送り、報告書の早期公表を要求した。議員らは、2022年に可決された連邦法に基づき、米情報機関は、1年以上前にこの報告書を提出すべきだったと述べている。
『ワシントン・タイムズ』が引用した書簡の内容によると、議員らは次のように記している。
「議会が連邦機関に報告書を要求するのは、通常の手続きだが、この報告書の最終的な公表は、より深遠な影響をもたらすだろう。これにより、習近平と中国共産党高官が法定の名目給与だけで『質素に暮らしている』のではなく、実際には文字通りの億万長者である可能性が高いことが明らかになるかもしれない」
議員らは、バイデン前政権の国家情報長官エイブリル・ヘインズ氏が、この報告書に関する議会からの質問を、何度も回避したと批判している。
「報告書提出の最終期限から14か月が経過したが、議会は依然として、我々の立法作業に極めて重要なこの報告書を待っている」と議員らは書簡で述べている。
ニュージャージー州のクリス・スミス下院議員、アラバマ州のバリー・ムーア下院議員、アリゾナ州のアンディ・ビッグス下院議員も、いずれも共和党議員で、この連名書簡に署名している。
2月12日に正式に就任したガバード長官の報道官は、即座にコメントを発表しなかった。
昨年夏、中国共産党の駐米大使館は、米国政府にロビー活動を行い、この報告書の公表に反対した。
しかし、米議会調査局(CRS)が2024年6月に発表した報告書では、習近平を含む中国共産党高官が汚職に関与し、親族を通じて数億ドルの資産を隠匿していると指摘していた。
議員らは書簡で、中国共産党高官の「巨額の資産蓄積」はすでに知られていると指摘している事実で、例えば2012年、習近平の家族が3億7600万ドル相当の企業投資を保有し、総資産17億3千万ドルのレアアース鉱業会社の株式18%を、間接的に保有していたことが明らかになった。
対照的に、中国では約6億人が1日5ドルの生活費で暮らしている。現在の中国経済の後退の中で、習近平は中国国民に「苦難に耐えよ」と呼びかけている。
書簡では次のように述べている。
「中国共産党指導部の贅沢な生活と、全体主義統治下で苦しむ14億の中国国民との鮮明な対比は、習近平とその側近たちが主張してきた『反汚職』のイメージを完全に打ち砕くだろう」
彼らはまた、ギャバード長官に対し、3月12日までにこの報告書の詳細な進捗状況を提供するよう要求した。
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