トランプ政権が連邦政府の規模縮小を目的に、多くの職員を解雇したことを受け、米国際開発庁(USAID)の元職員らが2月27日、ワシントンD.C.の旧本部前に集まり、オフィスの整理を行った。
職員らは警備員に付き添われながら、わずか15分間でオフィスを片付けるよう指示された。
建物の外では、多くの支持者が集まり、職員が退去する様子を拍手や歓声で見守った。彼らはUSAIDの役割を称賛し、トランプ政権の政策を批判するプラカードを掲げた。通りを行き交う車もクラクションを鳴らし、連帯を示した。
トランプ政権のUSAID縮小計画と法的対立
この出来事は、トランプ大統領が対外援助を凍結し、その後USAIDの再編や廃止の可能性を示唆してから1か月余りで発生した。
これに対し、連邦職員の労働組合が訴訟を起こし、裁判所に計画の差し止めを求めた。
連邦地裁のニコルズ判事が一時的にUSAIDの人員削減を阻止したが、2月21日に、差し止めを解除。その2日後、トランプ政権はUSAID職員1600人の解雇を正式に発表した。
この決定の背景には、連邦政府のコスト削減を担う政府効率化省(DOGE)の監査がある。DOGEはUSAIDにおける重大な資金の不正使用を指摘した。
例えば、アーンスト上院議員率いるDOGE議連の調査チームが、「USAIDが秘密の資金を利用し、米国の税金を数百万ドル規模でウクライナへ流用していた疑いがある」と報告した。
こうした要因が重なり、USAIDの存続は不透明な状況となっている。
職員や支持者の声「人道支援の使命は変わらない」
USAIDの元職員やその支持者は、こうした状況の中でも同庁の人道支援の使命に誇りを持ち続けると語った。
USAIDの退職者の女性は、解雇された職員にバラを手渡しながら、「機構の削減が必要であることは理解するが、その進め方があまりに無計画で拙速だった」と批判した。
また、元外交官のローラ・ケネディ氏(旧ソ連、トルクメニスタン、トルコで勤務)は、「USAIDは、アメリカの安全保障と繁栄のために重要な役割を果たしている」と述べた。
「USAIDの活動は単なる援助ではなく、国際社会における米国の影響力を強化するものだ」と強調した。
元職員ら 匿名で不安を語る
多くの元職員は悲しみに打ちひしがれ、言葉を発することもできず、ただ同僚と抱き合い涙を流す様子が見られた。
取材に応じた職員の多くは、身元が特定されることを恐れ、匿名での証言にとどめた。
元外交官の一人で、仮名「ボブ」と名乗った男性は、現在、退職金の交渉中であり、報復を受けるのではないかと恐れていると語った。
また、東アフリカのプロジェクトを監督していたUSAIDの契約職員リサ・マリーさんは、突然の資金停止により、コンサルティング機関が昨年11月から未払いの請求書を抱えている状況を明かした。
「正直なところ、厳しい状況だ。しかし、私自身のことよりも、戦争で荒廃した国で支援を待っている人々のことが心配だ。我々は彼らを見捨てたも同然であり、このような形で支援を打ち切ることを、アメリカは恥じるべきだ」と批判した。
混乱する支援現場「食糧も医薬品も届かない」
元予算管理官の女性も、現場での混乱を訴えた。
「政府は一部の食料・医療サービスへの資金提供を継続するための特別免除措置を出した。しかし、突発的な予算凍結の影響で現場のインフラが機能不全に陥り、支援が滞っている」と指摘した。
「食料は腐敗し始め、一部はすでに廃棄せざるを得ない状況だ」と述べた。
さらに、「医薬品を供給するはずの国際保健スタッフが突然解雇されたため、医療支援そのものが機能しなくなっている」と述べた。
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