東京で「財務省・厚労省解体」を訴えるデモ 国民のための政策求め集会

2025/04/30 更新: 2025/05/04

2025年4月29日、東京・永田町および霞が関で財務省や厚生労働省などの解体を訴える集会とデモ行進が行われた。

この日は昭和の日にあたり、午前11時に国会前で集会が始まった。その後、日比谷公園霞門に12時半に集合し、13時からパレードデモが出発。13時30分には厚生労働省前、15時30分には財務省前でそれぞれ演説会が行われた。また、夜には四谷区民ホールで国民大集会も開催され、満席となった。

2025年4月29日、厚生労働省前の街宣に集まる聴衆
2025年4月29日、財務省前で大街宣が行われた。(撮影:大紀元)
2025年4月29日、四谷区民ホールでの集会

参加者は、現在の財務省や厚生労働省の政策が国民生活に十分に寄り添っていないと訴え、より国民の利益を優先する政策への転換を求めた。現場では「日本を守るのは国民しかいない」との声も上がり、「財務省解体」などのシュプレヒコールを上げ、現行の行政機構に対する強い不信感を示していた。

集会に参加したフリージャーナリストの我那覇真子氏はXに次のように投稿した。

「公衆衛生を口実とした全体主義や、我々から搾り取る重税、監視社会、グローバリズム全体主義の問題はますます深まるばかりです。しかし、問題が明るみに出れば出るほど、目覚める国民が増え、その声が大きくなっているのも確かです」

このデモでは、近現代史研究家の林千勝氏らが呼びかけ人となり、財務省や厚労省のあり方に疑問を呈した。一方で「和をもって尊しとなす」「義をもって働く」など伝統的な日本の思想を映し出した言葉も多く上がっていた。

財務省「解体」ではなく「建て直し」を

2025年4月29日、財務省前で大街宣が行われた。スピーチを行う元日本郵便副会長の稲村公望氏(撮影:大紀元)

この日、15時30分から財務省前で行われた大街宣では、複数の論者がマイクを握った。そのうちの一人、元日本郵便副会長の稲村公望氏は財務省前に集まった数千人の聴衆を前に、財務省の前身である大蔵省について、「大蔵省は戦後の日本復興を支えた役所です。あまりにも優秀な人たちがずらっと居並んでいました。大蔵省解体という金融行政の再編がありましたが、これには米国の圧力がありました。日本の金融自由化というのは日本がやったのではなく米国の一部がやったのです。大蔵省が強すぎるために、日本の金融市場の開化が進まないというキャンペーンが行われました。私は最後の大蔵省を褒めるつもりはないが、戦後の大蔵省を褒めるつもりで今日来たのです。戦後の大蔵省と運命をともにしたこの国の魂が安らかになると思ってこう話しているのです」と話し、聴衆から大きな拍手が湧き起こった。

元日本郵便副会長の稲村公望氏(撮影:大紀元)

稲村氏はスピーチ後に大紀元のインタビューに答え、「今回は『財務省解体』という名前のデモですが、私はそうではなく、財務省のどこを直すべきか、どこに問題があるのかという点を論点にしなければ、ただの烏合の衆になってしまうのではないかと心配しています」と指摘した。

さらに、「これまでの政権与党は、戦後体制の大きなほころびを見せています。また、その中で混乱を起こそうとする勢力も存在します。そうした動きに流されず、新たな秩序を日本や世界の中でどう築くべきか、今こそ考える時期が来ているのではないでしょうか」と述べ、日本だけでなく世界が変わっていくこの時代に、日本は自分たちの力で日本を建て直すべき時が来ていると警鐘を鳴らした。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。
▶EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶番組「日本の思想リーダーズ」ホスト ▶1969年東京生まれ ▶青山学院大学法学部卒 ▶総合商社日商岩井(現双日)にて情報産業等に約10年間従事。独立後紆余曲折を経て3年半ベトナムに渡る。帰国後1年間の無職期間中に日本各地を巡る。その後2015年からメディア業界へ。
関連特集: 社会