政府は6月6日、首相官邸で第2回防災立国推進閣僚会議と第13回能登半島地震復旧・復興支援本部の合同会議を開催した。会議では、能登半島地震からの復旧・復興の進捗状況や、今後の防災対策の強化について議論が行われた。石破総理大臣は、能登地域の復旧事業や住まいの再建が着実に進んでいることを確認し、今後も被災自治体への伴走支援を続けるよう関係省庁に指示した。
能登地域では、今年2月に創設された「能登創造的復興支援交付金」を活用した本格的な復興事業が6月から始まる。災害公営住宅の整備や液状化による土地の境界確定支援など、住民の生活再建に向けた取り組みも進んでいる。また、出水期を前に、被災河川や土砂災害箇所の応急安全対策が5月末までにほぼ完了し、引き続き警戒を強める方針が示された。

国は、能登半島地震の教訓を踏まえ、被災者支援や応急対応体制の強化、インフラの事前防災と復旧推進のため、災害対策基本法等の改正案を含む9本の法律案を今国会に提出し、すべて可決された。今後はこれら法改正の着実な運用が求められる。
大規模災害への備えとして、南海トラフ地震の防災対策推進基本計画の改訂作業や、首都直下型地震の被害想定見直しも急がれている。政府は、南海トラフ地震の発生確率が高まっているとの評価や、最近の災害対応の教訓を反映し、基本計画の見直しを進めている。
石破総理は、政府の防災対策の司令塔となる「防災庁」を新設する方針を改めて強調した。防災庁は内閣直轄の組織とし、専任の大臣を置くほか、他省庁への「勧告権」を持たせることで、事前防災から復旧・復興まで一元的に対応できる体制を整える。十分な人員と予算の確保、専門職員の育成も進める方針である。防災庁設置に関する法案は、来年2026年の通常国会に提出される予定で、地方拠点の設置も含めて準備が加速される。
今回の会議を通じて、政府は「人命・人権最優先の防災立国」の実現を掲げ、今後も能登の復旧・復興支援と全国的な災害対策の強化を着実に進める姿勢を明確にした。
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