年頭会見 高市総理が描く「強く豊かな日本」への道筋

2026/01/05 更新: 2026/01/05

令和8年1月5日、高市早苗内閣総理大臣は三重県の伊勢神宮を参拝し、その後の年頭記者会見において、新年の抱負と今後の政権運営の指針を明らかにした。就任から77日目を迎えた高市総理は、これまでの実績を振り返るとともに、日本を「強く豊かに」するための具体的な施策を提示した。

記者会見する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

以下に、会見の冒頭発言の内容をまとめる。

就任77日間の実績と現状

高市総理は就任以来、物価高対策を柱とする補正予算の編成や、所得税減税に向けた税制改正大綱の取りまとめ、さらには主要国との首脳会談など、過密な外交・内政のスケジュールをこなしてきた。

記者会見する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

特に強調されたのは、半世紀以上にわたって続いてきたガソリン税および軽油引取税の暫定税率の廃止が決定したことである。これは、国民民主党や日本維新の会との連携・協力も背景にあり、長年の懸案であった「年収の壁」の引き上げとともに、現役世代の負担軽減を具体化させた形だ。

また、経済指標の面では、令和8年の名目GDP成長率を3.4パーセント、実質賃金をプラス1.3パーセントと予測しており、これは特殊要因(コロナ禍後の伸び)を除けば21年ぶりの高い伸びとなる見通しである。

政策の柱:「責任ある積極財政」と「危機管理投資」

高市総理は、日本経済を成長軌道に乗せるための指針として、「責任ある積極財政」の推進を宣言した。これは、将来を見据えた分野に大胆な投資を行う一方で、それによって生じる経済成長と税収増を通じて更なる投資を可能にする「投資と成長の好循環」を生み出すという考え方である。同時に、令和8年度予算における公債依存度を前年度当初予算より低いレベルに抑え、政府債務残高の対GDP比を着実に低下させることで、財政の持続可能性を確保しながら投資を行うことを強調している。

記者会見する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

この成長戦略の核となるのが、経済安全保障や国土強靱化などの様々なリスクに対し、官民が連携して先手を打つ**「危機管理投資」である。具体的には、次世代半導体の国内生産を目指す「ラピダス・プロジェクト」や、日本の強みである製造業・サービス業の現場データを活用した「フィジカルAI」の実現により、世界市場での競争力を高める方針が示された。また、災害時の被害把握に有効な「SAR衛星」などの宇宙技術を、老朽インフラの予防保全や食料安全保障の確保にも応用し、アグリテックや陸上養殖といった先端技術への投資も加速させていく。

さらに、国力の基盤となる「人材力」を強化するため、本年4月からの「教育無償化」の実施に加え、出産費用の実質無償化に向けた法整備を通常国会で進める。これと並行して、中・低所得者の所得に応じて手取りが増える仕組みを構築するため、野党の参加も呼びかけた「国民会議」を立ち上げ、「給付付き税額控除」を含む社会保障と税の抜本的な一体改革について議論を開始し、結論を得ることを目指している。

記者会見する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

高市総理は会見で本年が「丙午(ひのえうま)」にあたることに言及した。丙(ひのえ)には前年からのエネルギーが一段とはっきり発展するという意味があり、総理はこの年を日本の未来を左右する「分水嶺」になると捉え、強い政治的リーダーシップを発揮する決意を表明した。

伊勢神宮では本年、次期式年遷宮に向けた「御木曳初(おきひきぞめ)」が行われるが、総理は神宮が1300年にわたり歴史を紡いできた背景にある「新しくするからこそ、永遠となる。守るためにこそ、チャレンジを恐れてはならない」という精神を強調した。

記者会見する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

「国民の暮らしと命を守り、日本の誇るべき国柄を次世代へと引き継いでいくために、本年も果敢に挑戦し続ける」。「本年が国民にとって『希望の年』となるよう、全力を尽くす」という力強い言葉で、高市総理は年頭の決意を締めくくった。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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