アメリカのトランプ大統領が6月23日夕方(日本時間24日午前)、自身のSNSで「イスラエルとイランが完全かつ全面的な停戦に合意した」と発表したことを受け、国際的な原油先物価格が急落した。ニューヨーク原油市場では、一時1バレル=65ドル台まで下落し、前週末比で13%安となった。
トランプ大統領は「両国が約12日間続いた戦争を終結させることで合意した」とし、停戦は段階的に実施され、日本時間24日午後1時ごろから双方が進行中の軍事作戦を縮小し、24時間以内に戦闘が終結する見通しだと述べた。イスラエルのネタニヤフ首相も24日、アメリカの提案した停戦案に同意したと初めて公式に認め、「イランの核およびミサイルの脅威を排除する目標は達成された」と語った。
一方、イラン側のアラグチ外相は「現時点で正式な停戦合意はない」としつつも、「イスラエルが攻撃を停止すれば、イランも反撃を続ける意図はない」とSNSで表明した。最終的な決定は今後下されるとしており、現場では依然として緊張が続いている。
今回の停戦合意報道を受け、原油市場では中東の緊張緩和への期待が高まり、供給途絶の懸念が大きく後退した。これにより、原油価格は一時的に大幅下落した。市場関係者は「ホルムズ海峡の封鎖リスクが後退したことで、過度な懸念が和らいだ」と指摘する一方で、「今後も状況次第で価格変動が続く可能性が高い」との見方を示している。
なお、停戦の実施状況については、イスラエルとイランの双方が公式に完全な合意を発表したわけではなく、イランからは一部ミサイル攻撃が続いたとの報道もある。今後の推移を注視する必要がある。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。