アメリカCIAは、米軍によるイラン核施設への空爆で核開発計画に深刻な打撃を与えたと発表。主要施設の再建には数年かかる見通しである。
6月25日、アメリカ中央情報局(CIA)のジョン・ラトクリフ長官は、信頼性の高い情報に基づき、アメリカが21日夜(日本時間22日午前)に実施した空爆によってイランの核計画は重大な打撃を受けたと発表した。核施設の再建には数年を要する見通しである。
ラトクリフ長官は声明の中で、歴史的に信頼されてきた情報源および精度の高い手法により、得られた新たな分析結果として、イラン国内の複数の重要核施設が破壊され、回復には長期間を要すると説明した。
この見解はホワイトハウスの立場と一致する。
6月21日、アメリカ軍は14発のバンカーバスター弾と「トマホーク」ミサイルを組み合わせ、イラン国内のフォルドー、ナタンズ、イスファハンに位置する3か所の核施設を標的にした攻撃を実施した。米軍がイスラエルによる核計画破壊作戦に初めて直接参加した形となる。
その48時間後、イランとイスラエルは停戦協定に合意したと共同発表を行った。
24日には、CNN、FOX、NBC、「ニューヨーク・タイムズ」などの主要メディアは、国防情報局(DIA)の初期報告を引用し、空爆の効果に疑義を呈した。
これに対し、ホワイトハウスは25日、イスラエル原子力委員会、国際原子力機関(IAEA)、および科学・国際安全保障研究所(ISIS)の声明を公表し、メディア報道への反論を行った。
同日、DIAも声明を発し、メディアに流出した初期報告はあくまで暫定的かつ信頼性の低い評価であり、最終的な結論とは異なると説明した。
この初期評価は、アメリカ中央軍(CENTCOM)の戦闘損害評価に基づいており、イランの核計画は数か月の遅延にとどまり、攻撃前にイラン側は大部分の濃縮ウランを移動させていたとの見解を示している。
DIAは、今後新たな情報の入手に伴い、この評価を引き続き修正していく方針を示した。
「信頼性の低い評価」とは、十分に検証されていない不完全な情報に基づいた結論を意味しており、さらなる分析によって見解は変化する可能性がある。
6月25日、ヘグセス国防長官は、国防総省が連邦捜査局(FBI)と連携し、今回のDIA機密報告書の漏洩事件に関する正式な調査を開始したと発表した。ヘグセス長官は、26日午前8時(東部時間)に記者会見を開く予定である。
ギャバード国家情報長官もホワイトハウスの立場を支持し、イランの主要核施設は完全に破壊され、再建には長期の時間を要すると述べた。
ギャバード長官はSNS「X」で、「イランが再建を選ぶ場合、ナタンズ、フォルドー、イスファハンの全施設を完全に再建する必要があり、それには数年を要する」と投稿した。
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