トランプ米大統領は、来月9日まで一時的に停止している相互関税の措置について、延長しない方針を明言した。この日が交渉期限の最終日であることから、トランプ政権は各国に対し、アメリカとの合意が成立しない場合には新たな関税措置を発効させる構えである。
締切が迫る中、トランプ氏は各国に関税率を通知する書簡の送付が「まもなく」始まると語った。
6月29日に放送されたFOXニュースの番組「サンデー・モーニング・フューチャーズ」における事前収録インタビューで、トランプ氏は「我々は各国の姿勢、つまり友好的か、そうでないかを見極める。ただし、一部の国については配慮せず、直接高い関税率を提示する」と述べた。
トランプ氏は、書簡には「おめでとう。アメリカで買い物をすることが可能になった。関税率は25%、35%、50%、または10%となる」と記載する予定であるとも語った。
トランプ氏は6月27日の記者会見でも、7月9日の交渉期限で猶予措置が終了すると語り、各国と個別に合意を取り付けることの難しさを強調した。トランプ政権は、90日間で90件の貿易協定締結を目標に掲げてきた。
29日のインタビューでは、交渉が続いていることを認めたうえで、「交渉相手は200か国もあり、全てと交渉するのは不可能だ」と述べた。
インタビューでは、中共との関係やイランへの攻撃など、他の主要問題についても意見を述べていた。
各国別の関税影響
アメリカと各国との貿易交渉は現在も継続中であり、すでに一定の成果を上げたケースもある。しかし、中共との交渉は最も困難な部類に入る。トランプ氏は先週、中国側と覚書的な貿易協定を締結したと発表したが、その詳細は明らかにしていない。
ホワイトハウスの当局者は、米中間でアメリカ向けのレアアースの輸出を加速させる方針について合意が成立したと説明している。
同じく先週、アメリカは隣国カナダとの貿易交渉で行き詰まりを見せた。トランプ氏は6月27日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」において、アメリカなどの大手IT企業を対象にしたデジタルサービス税を理由に、数か月に及ぶカナダとの交渉を打ち切ると投稿した。
これを受け、カナダのカーニー首相はデジタルサービス税を廃止をすると表明し、両国が貿易交渉を再開することで合意したと発表した。
一方、インド当局者は2週間ほど前、同国とアメリカの貿易交渉が大きく進展しており、今月末までに暫定合意に至る見通しであると述べた。
日米関税交渉では、トランプ氏は6月29日、FOXニュースのインタビューで、アメリカが日本からの輸入自動車に25%の追加関税を課していることについて、「日本側が求めている見直しには応じない」との姿勢を示唆し、関税措置の継続や強化も辞さない考えを明らかにした。
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