1180万人が医療保険を失う?  トランプ大統領「実際の数字はもっと少ない」

2025/07/02 更新: 2025/07/02

7月1日正午、アメリカ上院は、数十時間に及ぶ緊迫した協議の末、トランプ大統領による包括的な減税・支出法案(通称「大きく美しい法案」)をついに可決した。

同法案の医療保険に関する部分は大きな論争を呼んでおり、上院案では保険を失う人が1千万人以上増えるとの試算も出た。しかし、トランプ大統領は1日、この懸念を軽視し、「この措置は、政府プログラムの無駄を排除するだけだ」と述べた。

無党派の議会予算局(CBO)の試算によれば、上院案は、連邦医療補助(メディケイド)を1兆ドル以上削減する見通しである。もしこの法案が最終的に議会を通過すれば、2034年までに1180万人のアメリカ人が医療保険を失うことになる。1日、フロリダ州の移民収容施設を視察中、記者からCBOの分析について問われたトランプ大統領は「実際の数字はこれより小さくなるだろう」と答えた。

トランプ大統領はまた、社会保障(Social Security)について「きちんと守る」とし、メディケアとメディケイドについても「私たちが救う」と語った。

トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」で上院による「大きく美しい法案」の可決を称賛し、「誇るべき点が多くあるが、最大の勝者はアメリカ国民だ。彼らは恒久的な減税、より高い給与と実質賃金、より安全な国境、そしてより強く力強い軍隊を享受できる」と述べた。

大統領はさらに、メディケイド、メディケア、社会保障給付は削減されていないどころか、これらのプログラムの無駄、詐欺、乱用を排除することで強化・保護されると付け加えた。

上院案では、19~64歳のメディケイド受給者は、障害者を除き、毎月最低80時間の就労が継続受給の条件となる。例外として、下院案では扶養する子供がいる親は、就労要件を免除されるが、上院案では14歳以下の子供がいる親のみが免除対象となる。

提案されているメディケイド改革では、現行の12か月ごとの資格再認定を6か月ごとに短縮することも盛り込まれた。

張婷
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