米メディアが習近平の対米戦略を暴露 冷戦で米国を疲弊

2025/07/09 更新: 2025/07/09

米中関係がより一層緊張する中、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は7月7日に記事を掲載し、中国共産党(中共)党首である習近平が米国との冷戦に数十年にわたって備えてきたことを明らかにした。

記事によると、米中対立の中でトランプ大統領は経済的な攻勢を仕掛けている一方、習近平は冷戦を仕掛けているとされる。トランプ氏の経済攻勢とは異なり、習が堅持しているのは、より持続的な「冷戦型」の競争であり、その核心的な目標は「戦略的膠着状態」の実現だとされている。

習近平はソ連崩壊からいくつかの重要な教訓を汲み取り、経済運営、地政学的戦略、軍備の整備、さらには中国社会に対する全面的な統制を強化することで、中共がソ連と同様に崩壊することを回避してきた。

記事によれば、現在の米中関係において中共は貿易交渉に加え、米国側からは無意味と見なされがちな定期対話の再開も望んでいる。習近平にとって、こうした対話は時間を稼ぐための戦略であると指摘されている。

習近平が掲げるこの冷戦型の戦略が果たして成功するかどうかは、なお不確かである。彼の主導する「大国間競争」路線は、むしろ中国国内の経済的困難を一段と悪化させる可能性がある。また、中共による指導と統制は民間経済に対しても重圧を加えており、「自主制御」や「国産代替」といった政策は、すでに進行中のデフレスパイラルをより深刻化させていると見られている。

それでも習近平にとって、「米国を疲弊させる」という長期的な目標を実現するためには、これらすべてが容認できる副作用であると考えているとみられる。

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