中国の軍拡に対抗 九州にオスプレイ基地を開設

2025/07/10 更新: 2025/07/10

陸上自衛隊(陸自)は、7月9日に九州の佐賀県で新しい基地「佐賀駐屯地」を正式に開設し、V-22オスプレイ輸送機を配備した。これは、西南諸島の防衛能力を強化し、中国共産党(中共)の軍事拡張や台湾海峡の緊張による安全保障上の課題に対応するためだ。

共同通信などの日本メディアによると、初のオスプレイ機はその日、千葉県の木更津駐屯地から佐賀の新基地に移送された。この輸送機は2020年7月から木更津に一時駐留しており、5年を経てようやく恒久的な拠点に移された。佐賀駐屯地の編成は約420人で、陸自のオスプレイ部隊の常設基地となる。

V-22オスプレイ機は、ヘリコプターの垂直離着陸能力と固定翼機の高速巡航性能を兼ね備えており、主な任務は陸自の「水陸機動団」を支援し、迅速な人員と装備の輸送を行うことだ。この部隊は「日本版海兵隊」と呼ばれ、長崎県佐世保市に本部を置き、離島防衛や緊急事態への対応を専門としている。

佐賀県と防衛省は基地設置について数年にわたり協議を行い、最終的に2023年末に合意に達した。この動きは、日本政府が西南諸島の防衛体制を強化している時期に行われており、台湾に隣接するこの地域は戦略的に重要だ。中共の台湾海峡、東シナ海、南シナ海における軍事的拡張は、日本と周辺国に高い警戒感を引き起こしている。

同日、石破茂首相は佐賀市で行われる次期参議院選挙のキャンペーン中に、オスプレイ機の配備が防衛能力を大幅に向上させるだけでなく、災害対応能力も強化し、「日本の防衛と救助体制はより堅固になる」と強調した。

防衛省は、残りの16機のオスプレイ機を8月中旬までに順次木更津基地から佐賀基地に移設させ、近隣の佐賀空港の滑走路を使用して離着陸させる予定だ。この空港は地域の主要な民間航空施設であり、駐屯地に隣接している。

しかし、オスプレイ機の過去の安全記録は住民の懸念を引き起こしている。基地の開設日、あるグループの市民が基地の門前で抗議活動を行い、「オスプレイ機の全面撤去」と書かれた横断幕を掲げて反対の立場を表明した。

米軍も日本にオスプレイ機を配備しているが、過去に何度も事故が発生している。2023年11月、米軍のオスプレイ機が鹿児島県屋久島近海での定期訓練中に墜落し、8人の乗組員が死亡した。

これに対し、日本政府の橘慶一郎官房副長官は東京で記者会見を開き、政府は「誠実に地域の声に耳を傾け、安全情報を含む関連内容を丁寧に説明する」と述べ、西南部の防衛強化が「緊急の課題である」と強調した。

王君宜
王君宜
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