中国で若者の自殺、それも集団での自殺が止まらない。
7月11日夜、浙江省温州市の橋から5人の若者が同時に飛び込む映像がネット上に拡散した。市内では翌日にも飛び込み自殺が報じられており、目撃者は「今月だけで何度も同じような事件があった」と話し、地元では「もはや常態化している」との声も聞こえた。
SNSには「若者の未来が閉ざされている」「社会が彼らを追い詰めている」との投稿があふれ、深刻な社会問題となっている。
背景にあるのは、続く経済低迷と雇用崩壊、そして未来への絶望である。貧困と治安悪化が同時に進み、盗みや強盗が横行して、社会の秩序は音を立てて崩れ始めた。

とりわけ若者たちの状況は深刻だ。中国政府が繰り返す「雇用安定」策は空回りし、2025年には大学卒業生が1222万人に達したが、就職口は極めて少ない。高学歴でも同様で、配達員や配信者に転じる若者が続出。若者の苦境を描いた記録映画『卒業・失業』も、公開直後に当局が封殺した。
人々が「生き延びること」だけを目的とし、道徳も秩序も失った社会だ。それが今の中国の現実である。未来を見失った若者たちは、出口のない状況に追い込まれたのだ。
だが、自ら命を絶つことは、決して問題の解決にはならない。どんなに苦しくても、生きていれば希望は必ずある。生き延びることで、未来を変える力は、必ず自分の手の中に残されるのだ。
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