激変する中国 「建てて壊す」水増し経済の現実

中国のGDP「5.2%増」発表の裏側 

2025/07/17 更新: 2025/07/18

7月15日、中国国家統計局は、第2四半期のGDPが前年同期比5.2%増と発表した。しかし、この「5.2%成長」の公式発表に対し、専門家らは「注水GDP」と断言した。現実の中国経済は、統計偽装で取り繕えるような状態ではないと警告した。

その象徴とも言えるのが、広東省広州市で発覚した“80日建設・10日解体”事件だ。白雲区の「湾区智薈園」プロジェクトは、地元政府と国有企業が「国際的人材交流・イノベーション拠点」として華々しく宣伝し、急ピッチで建設を進めた。しかし、完成からわずか10日後に「違法建築」を理由に7棟全棟撤去されてしまった。「建てては壊す」という中国式の水増し経済のからくりが、あらためて露呈した形だ。

 

2025年7月、中国メディアは、広州白雲区の「湾区智薈園」プロジェクトで、7棟のビルを80日で建設し、その後わずか10日で全棟を解体したと報じた。(現場映像よりスクリーンショット)

 

当局は「手続き上の問題」と弁明したが、市民は納得しない。SNS上では「最初から解体前提の手抜き工事だったのでは」「一建一壊で共産党幹部に金が流れた」といった声が噴出した。

中国問題専門家でエポックタイムズのコラムニストでもある王赫(おうかく)氏は、「中国経済は米中貿易戦争の激化で深刻な打撃を受け、失業の急増、商店の閉鎖、消費者の消失といった不況が広がって、公式発表と市民生活の実感には大きな乖離があり、中共は演技に終始している」と指摘した。

 

王赫氏。(NTD新唐人テレビより)

 

他の専門家も「統計偽装では経済崩壊を隠しきれない。社会不安が高まり、共産党政権の命取りになる恐れがある」と警鐘を鳴らした。

統計の虚飾では隠しきれない危機が、中国社会をじわじわと覆い始めた。
 

横断幕を掲げて給料支払いを求める中国の労働者たち。(スクリーンショット)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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