連日の猛暑に見舞われる中国で、高温による「思わぬ事故」が発生した。湖北省襄陽(じょうよう)市で7月7日正午、気温38度の中、72歳の女性が畑作業中に、石の上に腰かけたところ、わずか10秒余りで臀部に重度のやけどを負った。植皮手術が必要となる深刻な事態となっている。
現地メディアの報道によると、女性は座った直後に熱さに気づいたものの、足腰が不自由なため、すぐには立ち上がれず、近くの住民に助けられたという。
診察した医師は「高温の物体に数秒触れただけで、皮膚が壊死するほどの重いやけどになる危険がある」と警告し、炎天下にさらされ高温化した石や金属、遊具なども重大なやけどの原因になり得ると強調した。

現地では同様の接触による火傷患者が続出しており、女性がやけど治療を受けた病院だけでも、石材製品や児童遊具、トレーニング器具、電動バイクの金属部分に触れてやけどを負った患者が、過去1か月で7人に上ったという。
こうした事故の背景には、湖北省を含む中国中部各地で続く38度前後の気温にある。命を脅かす猛暑災害の深刻さが、あらためて浮き彫りになった。
こうした異常な暑さをめぐっては、中国のSNSでも「ほらみろ、今年はこんなにも熱いぞ!」と半ば冗談、半ばやけくその声が相次いだ。地べたで卵を焼く動画、サンダルの裏が溶けた写真、室内で蚊が大量死したとの報告まで飛び交い、猛暑の異常さを皮肉る投稿が拡散した。
酷暑の中では、何気ない行動が命取りになると、身の回りの「熱い危険」に、最大限の警戒が必要である。

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