米ルビオ国務長官が批判 香港当局が海外活動家に逮捕状と懸賞金

2025/07/28 更新: 2025/07/28

米国務長官マルコ・ルビオ氏は、香港当局が民主化運動の活動家を標的に新たな逮捕状と懸賞金を発令したことについて批判した。この活動家の中には米国に拠点を置く者も含まれている。

「基本的な自由を行使している香港人を域外で標的にすることは、国境を越えた弾圧の一形態である」とルビオ氏は2025年7月26日の声明で述べた。「米国は、香港政府が国家安全法を用いて米国人や米国領土内の誰かを黙らせたり脅したりする試みを容認しない」

香港の国家安全警察は7月24日、「香港議会(Hong Kong Parliament)」と呼ばれる団体を「組織し、設立し、または参加した」として19人の指名手配を発表し、この団体が「国家政権転覆を企てた」と非難した。

この19人の中には、実業家エルマー・ユエン氏、評論家ビクター・ホー氏、活動家ジョニー・フォック氏、トニー・チョイ氏らが含まれている。この4人にはすでにそれぞれ100万香港ドル(12万7千米ドル)の懸賞金付きの逮捕状が発行されている。他の15人については、それぞれ20万香港ドル(2万5,480米ドル)の報奨金がかけられている。

在香港国家安全維持公署(中国共産党政権機関)は、7月26日の声明で今回の警察の決定を「正義の行動」と称賛した。

同事務所の董経緯・主任は今年3月、米国政府から香港の人権侵害や米国内での国境を越えた弾圧への関与で、他の香港・中国官僚5人と共に制裁対象となった。

ルビオ氏はさらに、今回の逮捕状と懸賞金の発令について、「北京政府は、香港返還のときに“香港が自分たちで運営できる独立性”を約束したが、今はその約束を次第に守らなくなり、香港の自由や自主性をどんどん減らしている」と付け加えた。

「言論の自由と政治的議論は米国の核心的価値であり、トランプ政権は今後もこれを守り抜く」とも述べた。

香港議会は、公式ウェブサイトによればカナダを拠点とする選挙委員会を持つ団体である。この団体は「一党独裁と暴政に反対する」こと、「一人一票による普通選挙の実現」を掲げ、「香港人による香港統治」を目指して設立された。

同団体は、6月30日に選挙を実施し、オーストラリア、カナダ、タイ、英国、米国などの15名が4年間の任期で選出されたと発表した。この選挙の有権者数は1万5,702人だった。また、姜家偉(Keung Ka-wai)、何栄有(Ho Wing-yau)、アグネス・ン(Agnes Ng)など、多くの当選者が香港当局に指名手配されている19人に含まれていた。

香港議会は7月27日、自身のFacebookページで発表した声明の中で、今回の香港政府による逮捕状と懸賞金発表は「北京による国境を越えた弾圧の明確なエスカレーションである」とし、その対象は英国、米国、カナダ、オーストラリア、EU諸国にも及んでいると述べた。

さらに「海外の個人を標的にして懸賞金を懸ける手法の展開は、国際法的基準及び国家行動規範を軽視する傾向の高まりを示している」と指摘した。

同団体は、「香港人全体の代表としての声であり、世界各地の香港人を守る機関でもある」と強調し、「普遍的価値を守り続け、自由で公正かつ自治の実現された香港の再建を追求し続ける」と表明した。

アメリカ上院外交委員会のジム・リッシュ委員長(共和党、アイダホ州)もX上で香港当局を批判する声明を発表した。

「香港の権威主義的リーダーは、海外の香港市民をますます嫌がらせや脅迫の標的にしており、民主活動家に対する新たな懸賞金は国際法の基準と国家主権を損なうものである」「これを容認することはできない」とリッシュ氏は7月25日に述べた。

香港当局は2023年7月から海外の活動家に対する逮捕状・懸賞金の発行を開始し、2023年12月、2024年12月にも新たな発令を加えてきた。

カナダと英国の政府も今回の逮捕状・懸賞金発令を非難する声明を発表している。

英国のデビッド・ラミー外相とイベット・クーパー内相は共同声明で、香港当局の対応を「国境を越えた弾圧の別の事例である」と位置づけ、「英国国内の無謀な行動を助長し、香港の国際的な評判に傷を与える」と述べ、中国・香港当局に対し「英国及び他国で反対意見を標的にすることを直ちにやめるよう」求めた。

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。
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