中国不動産崩壊 リフォーム経営者が相次いで命を絶つ

2025/07/31 更新: 2025/07/31

中国の不動産市場が長期低迷し、リフォーム・家具業界も深刻な危機に直面している。相次ぐ著名企業主の自殺や株価急落、倒産など、業界全体が「淘汰的崩壊」に突入した。

最近、中国の家具業界全体が危機にさらされ、複数の著名企業主が相次いで不幸に見舞われた。7月27日、中国の大手家具建材企業「居然智家」の実質的支配者であり、董事長兼最高経営責任者(CEO)の汪林朋がビルから飛び降りて死亡した(57歳)。

かつて胡潤富豪ランキングに名を連ね、資産が100億元を超えた業界の重鎮であった汪林朋の突然の死は、業界全体に大きな衝撃を与えた。

汪林朋の死の翌日、7月28日に「居然智家」の株価は、取引開始直後から急落し、一時ストップ安を記録。午前の取引終了時点で株価は8.23%下落し、2.90元となり、数時間でおよそ16億元の時価総額が消失した。

汪林朋は、3か月前に武漢市江漢区の監察機構に留置され、自身が保有する3.72億株の株式が司法凍結された。これは、彼が保有する全株式に相当し、会社の総発行株式の5.97%にあたる。

7月23日、すなわち彼の死の5日前に、当局は留置措置を解除した。汪林朋は職務に復帰してわずか5日後にこの世を去った。

公開資料によれば、汪林朋は、北京居然之家投資ホールディングスグループ株式会社および居然智家新小売グループ株式会社の董事長兼CEOを務めており、複数の肩書きを有していた。彼はアリババなどの大手企業から巨額投資を獲得し、デジタル転換を推進して、一定の成果を上げてきた。

2025年の胡潤世界富豪ランキングでは、汪林朋の資産は125億元に達し、ランキング2188位に名を連ねた。

著名経営者の相次ぐ自殺 取調べを受ける

汪林朋の死の直前、広州の有名リフォーム企業「靚家居」の創業者で、「リフォームの社長」あるいは「リフォームのゴッドファーザー」と呼ばれた曾育周が、7月17日にビルから飛び降りて死亡した。

伝えられるところによれば、曾育周は死亡前日の7月16日に友人向けの投稿で「退路はない、やり抜くしかない」と書き込んでいた。しかし、その夜には会社のグループチャットで「皆様、ごめんなさい」と伝え、その後自ら命を絶った。

また1か月余り前の6月2日には、西子エレベーターの董事長・劉文超がビルから飛び降り死亡した(54歳)。

そのほか、業界の重鎮と目された人物も当局の調査を受けた。たとえば、5月13日には紅星美凱龍家居集団が公告を出し、創業者兼総経理の車建興が雲南省監察委員会による立件調査を受けていると発表した。

さらに、7月24日には西南地区の著名な家具小売業「富森美家居」の董事長・劉兵が当局に留置され、その影響で株価が急落した。

こうした一連の事態は、不動産市場の継続的な低迷という背景のもとで、中国大陸の家具業界が生存危機に陥ったことを示している。

ブロガー「包郵区」は記事で、2025年以降、家具・建材・リフォーム業界が「淘汰的崩壊」の局面に突入したと指摘した。先月には、清華大学出身の4人が設立した有名リフォーム会社「住範儿」が破綻を発表し、工事途中で放置された現場が多発し、多数の消費者が権利保護を求める騒動に発展した。

また、「中国家装第一股」として知られ、27年の歴史を持つ「東易日盛」は、2024年に資金ショートに陥り、2025年初頭には本社ビルが公開競売にかけられた。

さらに、「大手プラットフォーム」に支えられてきたリフォーム会社も苦境にあえぎ、たとえば中国の不動産取引プラットフォーム「Beike(貝殼)」に支えらていた「聖都装飾」は、すでに受注停止を宣言し、多くの店舗を閉鎖した。バイトダンス系列の「住好家」もわずか1年で契約を終了し、市場から姿を消した。さらには家具SNSプラットフォーム「好好住」ですら営業継続が困難な状況にあるという。

業界全体が、まさに「草一本も生えない」惨状なのである。

佳音
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