ハリウッド俳優キアヌ・リーブスの自宅から盗まれた高級腕時計6本が約1年後、チリで発見されチリ当局からアメリカFBIを通じて、返還手続きが進められるという。

キアヌ・リーブスのロサンゼルスにある邸宅に2023年、窃盗犯が侵入し、約9千ドル相当のロレックスを含む高級腕時計6本が盗まれた。その後、約1年を経て、これらの腕時計が南米チリで発見された。チリの当局は、7月29日、押収した高級時計をアメリカ連邦捜査局（FBI）に引き渡し、所有者の元へ返還する手続きを開始した。

チリ検察はメディアに対し、リーブスの腕時計が首都サンティアゴ市内で警察の捜査により見つかったと説明した。所有者側は、これらの時計が2023年12月に発生した連続窃盗事件で奪われた品であることを確認した。時計6本はすでに在チリ米国大使館へ搬送され、FBIがリーブスに返還する役割を担うという。

チリ強盗捜査班に所属する警官マルセロ・バラス氏は、時計6本の総額が12万5千ドルに達すると明かした。チリ警察が複数の容疑者が居住する住宅を急襲し、盗難車、iPhone、高級時計、ブランドバッグなどを押収した。

また、アメリカのクリスティ・ノーム国土安全保障長官がチリを訪れ、国際犯罪対策などについて当局と協議していたタイミングで、キアヌ・リーブスの高級時計発見と、および返還の情報を同時に発表した。

なお、ノーム長官自身も昨年4月にワシントンのレストランで窃盗被害を受けており、当時、彼女のハンドバッグを奪った人物は、アメリカに不法滞在していたチリ国籍の男性だった。

今回の急襲作戦はFBIとの共同調査によって実施され、捜査は、南米の犯罪グループがアメリカ内の高級住宅を狙った侵入窃盗事件に焦点を当てており、被害に遭った邸宅の多くは、著名な俳優やプロアスリートの所有物だった。NFLのカンザスシティ・チーフスに所属する選手トラビス・ケルシーの邸宅も、被害を受けた住宅のひとつに含まれている。

2025年4月、チリ警察はアメリカ国内の住宅侵入事件に関与した疑いで、23人のチリ国籍市民を逮捕した。