昨年7月、海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が中国浙江省沖の中国領海に誤って侵入し、中国が少なくとも2発の警告射撃を行うという異例の事態が発生していたことがわかった。共同通信などが報道した。
海上自衛隊によれば、「すずつき」は電子海図の操作ミスで公海と他国領海の境界が表示されず、約20分間にわたり中国領海内と認識せず航行を続けたという。中国が他国の艦船に対して警告射撃を実施するのは極めてまれ。
昨年、8月26日午前には、中国軍のY9情報収集機が長崎県男女群島沖で日本領空に約2分間、初めて軍用機による領空侵犯をしており、日中間でエスカレーションが懸念されるケースも出てきている。
日中両国は偶発的な衝突を回避する仕組みとして「海空連絡メカニズム」を2018年から運用開始し、2023年3月には防衛当局間で直接連絡できるホットラインの開設も実現、日中当局は一層の信頼醸成と衝突回避に努めている。
しかし最近は、中国公船・軍艦による領海・領空の侵犯は増加傾向にあり、日本政府は抗議や再発防止を重ねて呼びかけているものの、現実には緊張が続いている。
ネット上には自衛隊の領海侵犯を非難する内容もあれば、尖閣諸島に領海侵犯してくる船舶に対しては日本側も威嚇射撃しても構わないという過激なコメントも上がり、緊張の高まりを反映している。
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