日経平均 連日で史上最高値を更新 背景と今後の展望

2025/08/13 更新: 2025/08/13

日経平均株価が連日で史上最高値を更新した。円安やAI需要、海外マネー流入で上昇が続く一方、市場には行き過ぎへの警戒感も。

8月12日、東京株式市場で日経平均株価が前日比897円高の4万2,718円となり、歴史的な水準に到達した。一時は4万2,999円71銭まで上昇し、取引時間中の過去最高値を更新した。この勢いは翌13日も続き、日経平均は4万3,000円を超えて推移し、株式市場は活況を呈した。

急騰の背景――米政策と半導体株が主役

株価急伸の直接的な要因として、以下の事柄が挙げられる。

アメリカの関税協議進展とNY市場高:米国と各国の関税協議が進み、市場のリスク懸念が後退した。ニューヨーク市場の株高傾向を東京市場も引き継いだ。

半導体関連を中心としたテック株の上昇:世界的なAI需要拡大を背景に、ソフトバンクグループや半導体関連銘柄が軒並み上昇し、指数を押し上げた。

円安進行:為替市場で円安基調が続き、輸出型企業の株価を押し上げた。

海外投資家の積極買い:先物取引を主導して海外勢が大量に買い進めた。これに「買い遅れまい」とする国内投資家心理も重なった。

好決算企業の増加:企業業績が概ね予想を上回り、強気姿勢を後押しした。

市場の見方――高値警戒も「過熱感」

市場関係者の間では、「売り材料が見当たらないほど株価が上がっている」「買い残が少なく売り手不在」といった声がある。一方、今年度通期の企業業績が減益傾向にある事実から、「株価の上昇は行き過ぎている」との警戒感も根強い。

特に、海外投資家が主導する買いが相場を動かす状況において、「過熱感」や「材料出尽くし後の反落」への意識が高まっている。短期的には調整局面入りの可能性があり、注意が必要であると専門家は指摘する。

今後の見通し――材料は“外部要因”に

米国経済や政策の動向、とりわけインフレ率やFRBの利下げ観測が、引き続き最大の相場材料となる。

企業業績の上方修正や好業績銘柄は引き続き物色対象となりやすく、円安トレンドや世界的なAI需要による半導体株人気も継続する見通しである。

もっとも、「大きな悪材料が出なければ年末にかけて堅調に推移する可能性があるが、熱狂が過剰になれば反動安を招くリスクがある」という指摘も存在する。

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