自衛隊 英空母に初の「武器等防護」 西太平洋で6か国共同訓練

2025/08/13 更新: 2025/08/13

防衛省は13日、海上自衛隊の護衛艦「かが」と「てるづき」が、イギリス海軍の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」などを対象に、初めて「武器等防護」を実施したと発表した。

「武器等防護」は、2016年の安全保障関連法に基づき、自衛隊が平時から他国の艦艇や航空機を守る活動。これまでアメリカとオーストラリアを対象に行われてきたが、イギリスは初めてで、欧州の国としても初の事例となる。

4~12日に西太平洋で行われた日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、スペインおよびノルウェーの6か国による共同訓練の一環で、イギリスからの要請を受けて警護を行った。

防衛省によると、護衛艦「かが」と「てるづき」は訓練期間中、英空母などを護衛し、作戦の安全確保にあたった。

今回の共同訓練では、対潜戦や戦術訓練、艦載機の相互発着艦(クロスデッキ)、編隊航行の撮影などを実施。参加国間の連携や運用能力の向上を図った。

防衛省は今回の警護について、「日英両国の部隊間の相互運用性が高まり、より緊密な連携が可能になった」と評した。英国は日本にとって重要な安全保障上のパートナーであり、両国は2021年の英空母「クイーン・エリザベス」の日本に寄港した以降、協力を重ねてきた。今回の任務は、防衛協力の進展を象徴するものとされる。

共同訓練は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目的とし、多国間における海洋安全保障協力の強化を図る取り組みの一環である。英国は近年、同地域への関与を深めており、今後も日本への寄港や防衛装備分野での協力拡大が見込まれる。

防衛省は「英国との協力を通じ、地域の平和と安定に貢献していく」と表明している。

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