ロシア外相 首脳会談計画なしと発言 ゼレンスキーが反応

2025/08/23 更新: 2025/08/23

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は8月22日、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が現時点で会談を行う計画は存在しないと述べた。数日前、アメリカのトランプ大統領は両者の対話手配を始めたと発言していた。

ラブロフ氏はアメリカ全国放送協会(NBC)の番組「Meet the Press」でのインタビューに応じ、「会談の計画はない」と述べた。彼の説明によれば、プーチン氏は原則としてゼレンスキー氏と平和案について議論する意向を持つものの、まずは高官同士で根本的な対立を処理する必要があり、「現時点では議題そのものが整っていない」と強調した。

トランプ大統領はこの前、SNSでプーチン氏と電話会談を行い、両陣営による首脳会談のプロセスを進めていると発表した。会談の場所は未定であり、彼は後に三者会談に参加する意向を示した。しかし、ラブロフ外相は21日にモスクワでインドのジャイシャンカル外相と会談した際、プーチン氏が会談前にゼレンスキー氏へ、大統領としての合法性など「最高位で討議すべき問題」を明らかにするよう求めたと語った。

ラブロフ氏は、ゼレンスキー氏がNATO、領土問題、ロシア語政策に関して柔軟性を示さないと批判し、再びゼレンスキー氏の指導者としての合法性に疑問を投げかけた。

ゼレンスキー大統領はキーウで、クレムリンがプーチン大統領との対話を「必死に妨害している」と反応した。彼はその日、ルッテNATO事務総長と共同記者会見を行い、両国の安全保障に関する取り決めについて他国とも議論したと強調した。さらに、ロシアが戦争を止める意思を示さない場合、西側諸国はモスクワに対して追加制裁を科すべきだと呼びかけた。ゼレンスキー氏はこれまで何度も「いかなる領土も手放さない」と強調している。

戦場では、ウクライナ軍が22日にHIMARSロケットシステムと無人機を使用し、ロシアのブリャンスク地域にあるパイプライン・ウネチャ給油所を攻撃したと発表した。このパイプラインはハンガリーとスロバキアへ石油を供給している。ハンガリーのシーヤールトー外相はSNSでこれを「三度目の攻撃」と非難し、「自国のエネルギー安全保障への新たな打撃」と表現した。

ロシアは21日にウクライナへ大規模な無人機とミサイル攻撃を行い、少なくとも1人が死亡し、18人が負傷した。さらに、アメリカがザカルパッチャ州に投資した電子工場も損害を受けた。

欧州連合(EU)の外相にあたるカヤ・カラス外交安全保障上級代表は22日、BBCのインタビューで、ウクライナが領土を割譲して平和を得るという議論をプーチン氏の仕掛けた「罠」と警告した。「交渉ではウクライナの譲歩ばかりが議題になるが、ロシアは一切譲歩しない。侵略者はロシアである」と語った。

ラブロフ氏はさらに、ロシア側がトランプ大統領が米露首脳会談で提起した一部の議題に柔軟性を示すことを認めた一方で、ウクライナはトランプ大統領および欧州の同盟国との会談後に「一切譲歩しなかった」と非難した。先週のアラスカ首脳会談でもロシアは主要な要求を堅持し、ウクライナに対してNATO加盟の断念、中立の維持、前線の凍結、そしてウクライナ東部ドンバス地域のロシア帰属を要求した。

李言
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