アメリカのトランプ大統領はウクライナ情勢の悪化に懸念を示し、プーチン露大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談を強く促した。
トランプ大統領は8月25日、ホワイトハウスで韓国の李在明大統領と会談し、記者団からウクライナ情勢について質問を受けた際、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が首脳会談を行わなければ「非常に重大な結果」が生じ得ると強く警告した。
トランプ氏は「もしプーチンとゼレンスキーが会談しなければ、結果は極めて深刻なものとなる可能性がある。ウクライナ戦争は終結させなければならない」と述べた。さらに、今後1、2週間の情勢を見極め、自ら積極的に介入する用意があると明言した。「協議がまとまれば協定に至るだろう。もし、まとまらなければ、多くの人命が失われ続ける状況が続く。それを止めたい」と語り、双方の歩み寄りの必要性を強調した。
また「両者は私の会談への参加を望んでいるが、まずは自分たちで解決すべきだ。これは彼ら自身の問題だ」と述べ、当事者同士による直接対話が不可欠であるとの見解を示した。
さらに、状況が進展すれば「我々が戦争を終わらせることができる」との期待も表明した。トランプ氏は戦争終結への強い意欲を繰り返し語り、問題の本質はロシアとウクライナの「根深い対立」にあるとした。
トランプ大統領は18日、プーチン大統領と電話会談を行い、まず両首脳の直接会談を実現させ、その後情勢が整えば自分自身も加わる三者会談の可能性を示した。しかしロシア側は現時点では、首脳会談開催に積極的な姿勢を見せていない。
トランプ氏は「プーチンと話すと会談そのものは良好だが、その直後にキエフや他の地域で爆撃が起こり、強い憤りを感じる」と明かした。
プーチン大統領がゼレンスキー大統領との会談を避ける理由について、トランプ氏は「プーチンはゼレンスキーを好まない。両者は互いに強い不信感を抱いている」と率直に語った。
さらにトランプ大統領はヨーロッパの他の指導者ともウクライナの安全保障について協議していると述べ、「ヨーロッパがウクライナにとって重要な安全保障を提供する。一方でアメリカは支援する立場から関与する」と説明した。アメリカは支援を惜しまない姿勢を示し、「これ以上、誰も命を落とす姿を見たくない」と悲痛な思いを吐露した。
またアメリカの航空戦力に関しても「ウクライナ上空での展開は安全保障の一つであり、米軍パイロットも任務にあたっている。ただし具体的な詳細はまだ協議中だ」と慎重な立場を示した。
ウクライナ情勢は、依然としてロシアとウクライナの交渉が停滞し多くの命が奪われ続けている。トランプ氏はアメリカ大統領として仲介に動く準備を整えているが、まずは両当事国自身が解決の道筋をつけることが重要だと改めて強調した。
事態は今後の展開次第で大きく変化する可能性があり、世界は米・露・ウクライナ各国の首脳動向を注視している。
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