中国共産党(中共)の9月3日の軍事パレードが近づいているが、現在に至るまで総指揮者が誰なのかは明らかにされていない。現在、北京では緊張が高まり、周囲の状況が不安定になっている。中共内部の激しい権力闘争と、中共党首の健康問題が重なり、北京ではすでに三つの緊急対策が用意されているとの情報がある。
慣例では、軍事パレードの総指揮は中部戦区の司令官が務めることが多いが、今年はその人選がいまだ決まっていない。公開された情報によれば、現在中部戦区の司令官は空席となっている。分析によると、これは中共の軍上層部で粛清が相次いでいることや、人事の頻繁な異動が影響している可能性がある。
著名な軍事ブロガー・周子定氏は次のように語っている。
「中共は非常に集権的な体制であり、多くの情報が非常に不透明だ。そのため、実際に何が起きているのか私たちも分からない。もちろん、背後では現状が反映されており、中共の軍高層部に対する粛清が非常に大規模に行われており、各軍種の司令官や各戦区の司令官も最近次々と失脚した。したがって、軍事パレードの総指揮者に関する発表がないことはその影響があるのかもしれない」
統計によると、習近平が就任して以来、昇進した79人の上将の中で、公式に失脚や解任が発表されたのは10人で、また他に少なくとも16人が失脚したと噂されており、全体の3割を超えている。そのため、党中央軍事委員会の7席のうち、現在すでに3席が空席となっている。
外部の人々は、まもなく行われる軍事パレードで、誰が総指揮官を務め、誰が天安門の城楼に登壇するのか、特に軍事委員会メンバーの人選が、中共の軍隊における権力構造を見極める重要な指標になると見られている。
最近では、元海軍中佐の姚誠氏が暴露したところによると、習近平派と反習近平派の内部闘争に加え、習近平の健康問題も重なり、北京の軍事パレードには三つの対応策が用意されているという。一つ目は、習近平が通常通り軍事パレードに出席する案だ。二つ目は、習近平の健康に問題が生じた場合、中共軍部副主席の張又侠が閲兵する案だ。三つ目は、もし習近平と張又侠の間に不和が生じた場合、第三の人物である中央軍事委員会委員の劉振立が閲兵するというものだ。
しかし、分析によれば、中共の軍事パレードはまさに政治的パフォーマンスにすぎない。
台湾国防安全研究院戦略・資源部長の蘇紫雲氏は次のように述べている。
「内部向けの宣伝では、民衆の関心をそらすだけでなく、治安維持の能力を誇示する意図がある。3つ目の対応策は、しっかりと武力を掌握していることをアピールするものだ。ただ、これらはすべて表面的な演出に過ぎないと感じる」
周子定氏も以下のように指摘する。
「現在、米中間の対立がこれほど激しい状況において、こうした軍事パレードで先進的な兵器を披露するのも、力を誇示するためだ。過去のオリンピックのような大規模イベントでも同様だったが、これも国内宣伝の一部だ。したがって、国内外への宣伝を意識していると思う」
今回の軍事パレードは、中共が「抗日戦争勝利80周年」を記念するとしているが、国内外で大きな反響を呼んでいる。
蘇紫雲氏はさらにこう語る。
「9月3日の軍事パレードは、歴史認識を改ざんするためのものだ。当然、政権の正当性を強調する意味も大きいが、これは世界の潮流と逆行している。なぜなら、ロシアや中共のような権威主義国家だけが、こうした戦争終結の記念日を軍事力誇示の機会にするのだ。主要な西側諸国では、戦争終結を平和的に記念する方式を用いており、軍事パレードを用いることはない。だからこそ中共のやり方は、その侵略的な性質を際立たせるのだ」
今回の軍事パレードで出席する外国首脳にも注目が集まっている。報道によれば、米中関係の緊張が続くなか、西側諸国の国家首脳はいまだ出席を表明していない。
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