EU委員長 防衛構想を発表 8千億ユーロで防衛態勢強化へ

2025/09/01 更新: 2025/09/01

EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は8月30日、欧州連合(EU)の将来の防衛構想について詳細を説明し、今後の重点が「欧州自身の防衛態勢の強化」「ウクライナの防衛能力向上支援」「国防を重視した新たな長期予算の策定」の三つの分野に集約されることを強調した。

フォン・デア・ライエン委員長は8月30日、エストニアで、欧州の三つの防衛における重点を発表した。

フォン・デア・ライエン委員長は「第一に、もちろん欧州自身の防衛態勢を強化する。第二に、これは同時進行であるが、ウクライナの防衛態勢も確実に支援する。三つ目の要素は長期的な計画で、EUは次世代の長期的かつ現代的な予算を新たに提案する」と述べた。

委員長はさらに、今年10月にEUが「2030準備」白書を公表し、現存する軍事的な不足を補うとともに、防衛投資を5倍、軍事機動性を10倍に引き上げる計画を明らかにした。約8千億ユーロ(約138兆円)が「2030準備」白書に投じられる予定で、これはEU史上初の大規模な投資となる。

エストニアのミフカル首相は、「ロシアを抑止できるのは武力のみであり、欧州は団結し、米国と大西洋をまたぐ協力関係を維持しなければならない」と強調した。また、「現在の欧州は半年前や一年前よりもさらに強固になっている」と述べている。

フォン・デア・ライエン氏は滞在中、エストニア国防軍とNATO軍関係者とも面会した。この後、リトアニア、ブルガリア、ポーランド、ルーマニアなどを訪問する予定だ。これらの国々はロシアの脅威の最前線に位置している。

関連特集: 国際