中国で「文化大革命」の時代を思わせる言論統制が、今も形を変えて続いている。
中国国内では軍事パレードにあわせて厳重な「社会安定維持」が敷かれ、ネット上でも厳しい検閲が敷かれていたが、検閲をすり抜けたわずかな発言を理由に、市民が相次いで逮捕されたことが分かった。
今回確認されているのは湖北省と安徽省での事例だ。中国SNSウィーチャット(微信)のチャットグループに投稿された発言が「不当」とされ、警察が即座に介入したのである。だが、同様の逮捕が他の地域でも起きている可能性は否定できない。
この出来事は、1966年に毛沢東が始めた文化大革命を想起させる。当時は「政府や指導者を批判する発言」が次々に摘発され、社会全体が密告と監視に覆われた。半世紀以上を経ても、言葉ひとつで自由が奪われる現実が再び露わになった。
湖北省襄陽市では、孟さん(47歳男性)が軍事パレード当日(9月3日)、パレードを揶揄する発言をしたとして行政拘留処分となった。警察は「誹謗中傷や虚偽の発言」と説明したが、具体的な内容は伏せられたままだ。ネット上では「基準を示せ」「どんな発言が処罰対象なのか」と批判が殺到している。
同日、安徽省淮北市でも男性が軍事パレードのライブ配信を嘲笑うコメントを投稿。直後に通報され、わずか3時間後に拘束された。処分は10日間の行政拘留。彼は軍事パレードを宣伝する画像の下に、「時代遅れだ、今の時代にそんなことを」と書き込んだだけだった。
このニュースは海外のSNSでも大きな反響を呼び、「政府を批判すればすぐ捕まるのに、失踪した子供はなぜ見つからないのか」「発言で拘束される法的根拠はあるのか」「中国はこういうことだけは世界一速い」といった皮肉や怒りの声が相次いでいる。

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