プーチンと習近平の臓器移植発言で 高官の延命プロジェクトに再注目

2025/09/08 更新: 2025/09/08

中国共産党の習近平総書記とロシアのプーチン大統領は、北京で行われた軍事パレードの場で臓器移植について言及し、その映像が国際社会に波紋を広げた。この発言は、党内での存在が取り沙汰される「981首長健康プロジェクト」と関連づけられ、注目を集めている。

同プロジェクトは、最高指導部の寿命を150歳まで延ばすことを掲げる一方で、その実態には臓器移植をめぐる深い闇が潜んでいるとの指摘がある。こうした中、ロイター通信は9月5日、中国中央テレビからの要請を受け、両首脳の発言部分を映像から削除したと明らかにした。

プーチンは習近平に対し、「バイオテクノロジーの進展により、人間の臓器は次々と移植できるようになり、人はますます若返り、さらには不老不死さえ可能になるかもしれない」と語り、習近平は「予想では、今世紀には人類が150歳まで生きることができるようになるかもしれない」と述べた。

両首脳の会話が話題となった後、中国共産党内部の「981首長健康プロジェクト」を宣伝する広告動画にも再び注目が集まった。

広告によれば、このプロジェクトは2005年に発足し、北京301病院が主導。最高指導者専用の医療サービスを提供し、「死に抗い、寿命を150歳まで延ばす」と掲げている。臓器移植をはじめとする先端医療の導入により、過去60年間に顕著な成果を上げてきたとし、共産党指導者の平均寿命は西側先進国の指導者を大きく上回ると誇示していた。

しかし、この広告は敏感な内容と見なされ、ほどなく削除された。実際、中国では過去25年間に臓器移植件数が急増し、臓器の待機期間は国際的な基準と比べ異常に短いことが指摘されている。

2019年、英ロンドンで開催された「独立人民法廷」は中共当局による臓器収奪に関する公聴会を開き、調査の結果、法輪功学習者を主な供給源とする生体臓器収奪が大規模に行われていると認定した。中共当局は1999年以降、法輪功への激しい迫害を続けている。

米国に亡命した程佩明さんは、法輪功学習者であり、中共当局による生体臓器収奪の生存者として知られている。程さんは「法輪功学習者は中共の『臓器供給バンク』となっている。習近平とプーチンの臓器移植についてのやり取りは、大変悲しい一場面である。世界中の正義ある力によって、この罪が必ず根絶されることを願う」と語っている。

程さんは現在知られている限り、中共による生体臓器収奪から生還した唯一の人物であるとされている。



中国共産党の「臓器狩り」生存者、米ワシントンで経験語る

中国黒竜江省出身の法輪功修煉者、程佩明氏は7月3日、米ワシントンで会見を開き、中国共産党によって本人の同意なく肝臓を摘出された経験を明らかにした。

程さんは「中共はいまなお法輪功への迫害を続け、その過程で多くの法輪功学習者が臓器を奪われている。もともと修煉は寿命を延ばしてきた。しかし、中共の首脳、いわば悪魔のような者たちは、自らの延命のために人の臓器を移植し続けている」と指摘。

その上で、「極めて重大な罪であり、人類全体を危機にさらす行為である。私は深い痛みを覚えている。世界の人々は目を覚ますべきだ。正義ある者たちは団結して、この罪を根絶しなければならない」と語った。

米下院は5月7日、「2025年 臓器収奪阻止法案」を可決。本法案は、強制的な臓器摘出や臓器収奪を目的とする国際的な人身取引の撲滅を米国の政策として明確に位置付け、関与者に対する制裁やパスポートの発給拒否、国際的な報告義務の強化など、包括的な対策を定めている。

また、中国共産党員を含む関係者への責任追及も規定されており、国際社会における人権擁護と臓器移植の倫理的枠組みの確立を目指す内容となっている。

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