国際 若者世代の怒りが政権を直撃 

ネパールで大規模抗議・首都炎上 親中首相は北京軍事パレード直後に辞任 「次は中共か」の声も

2025/09/11 更新: 2025/09/11

ネパールの首都カトマンズで9月8日、警察は主要ソーシャルメディアの禁止解除と政府の汚職に抗議する若者主導の大規模デモを取り締まった。治安当局との衝突で少なくとも19人が死亡した。

市内では政府庁舎や共産党本部が放火され、空港も閉鎖されるなど混乱が拡大した。その結果、親中派のオリ政権は一夜にして崩壊。この抗議は急速に共産党政権への反抗運動へと発展し、ネパール各地に広がった。また、デモは「Z世代のデモ」と呼ばれている。党幹部邸宅の焼き討ちや現金がばらまかれる映像、逃走する閣僚の姿は官僚腐敗の証拠のようにSNSで拡散され、市民の怒りをさらにかき立てている。

この抗議の嵐の中、カドガ・プラサド・シャルマ・オリ首相は9日、辞任を発表した。オリ氏は親中派として知られ、8月末から9月初めにかけて訪中し、天津で開催された上海協力機構首脳会議と北京で開催された軍事パレードに出席したばかりだった。帰国からわずか数日で辞任に追い込まれたことは「北京のパレードから辞任への直行便」と揶揄されている。

オリ氏は長年にわたり中共(中国共産党)寄りの政策を続け、チベット難民の弾圧や「一帯一路」への協力を推進してきた。再就任後も最初の外遊先に歴史の慣習を破り、伝統的なインドではなく中国を選び、忠誠を誇示するかのように振る舞った。だがその結果が、自国民からの徹底的な拒絶となって返ってきた。

親中政権の崩壊に、中国国内外の華人からは「中共の老朋友(中共が外交で“古くからの親しい友人”と呼ぶ外国の指導者や政権)が次々に消えていく」「老朋友はみな短命だ」「オリと習近平の握手は“死の握手”だった」と嘲笑する声が相次ぎ、「次は中共か」との見方が広がっている。

ネパール政変のニュースは中国本土でも注目を集め、10日、関連トピックスは中国SNSの検索ランキングの上位に浮上した。中国のネットユーザーからは「こんな良いこと、いつになったら私たちの番になるのか」といった羨望の声が目立ち、「自由の力だ」とするコメントも相次いだ。 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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