米MSNBCは、保守系政治活動家のチャーリー・カーク氏暗殺事件をめぐり、コメンテーターのマシュー・ダウド氏が番組内で行った発言について正式に謝罪した。
カーク氏は9月10日、ユタ州のユタ・バレー大学でイベントを行っていた際、銃撃を受け死亡した。カーク氏は、リベラル傾向の強い大学キャンパスにおいても保守的な見解を提示する場を設けることを目的に活動してきた非営利団体「ターニング・ポイントUSA」の創設者として知られる。
事件直後、MSNBCの番組「Katy Tur Reports」にコメンテーターとして出演していた政治評論家のマシュー・ダウド氏は、「憎悪の念は憎悪の言葉を生み、それがやがて憎悪の行為へとつながる」と述べ、「こうした忌まわしい考えや言葉を発し続ければ、忌まわしい行為が起こるのは避けられない」と語った。
さらに「標的を狙った犯行か、あるいは支持者が祝砲として発砲したものかは、この段階では判断できない」との見解も示した。
これらの発言に対し、MSNBCは間もなく謝罪声明を発表。レベッカ・カトラー社長は、同局のXアカウントにて「チャーリー・カーク氏銃撃に関する速報の中で、マシュー・ダウド氏が不適切で無神経、かつ到底受け入れ難い発言を行った。彼の発言について、我々は謝罪するとともに、本人も謝罪している。政治的であれ何であれ、暴力はアメリカに居場所を持たない」と述べた。
ダウド氏のXアカウントはその後削除された。アメリカの娯楽誌「バラエティ」は、同局の関係者(匿名)による話として、同氏が解任されたと報じた。
エポックタイムズはMSNBCにコメントを求めているが、現時点で回答は得られていない。
事件をめぐっては、現時点で容疑者は拘束されていない。当局によれば、同日拘束した2人の参考人はいずれもカーク氏の銃撃とは無関係であることを確認した。
FBIとユタ州公安局は共同声明を発表し、「現在も捜査と容疑者の行方追跡は継続中である」としている。捜査当局は今回の銃撃について「標的を狙った攻撃」との見方を示している。
訃報が伝わった後、政治的暴力によって若き命を失ったことへの悲しみと、カーク氏の遺した功績への感謝の声が長時間にわたり寄せられ、特にその活動に影響を受けた若者から多くの反応が見られた。
トランプ大統領も全米向け演説を行い、追悼の意を表した。「極左勢力は長年にわたり、チャーリーのような素晴らしいアメリカ人をナチスや世界最悪の大量殺人犯や犯罪者になぞらえてきた。この種のレトリックこそが、今日我々が目にしているテロ行為の直接の原因であり、直ちに終止符を打たねばならない」と述べた。
さらに、「我が政権は、この蛮行に関与した者すべてを、資金や支援を行った組織を含め追及する。司法関係者や法執行官、秩序を守る全ての人々を狙う勢力も同様である」と強調した。
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