チャーリー・カーク氏追悼式 トランプ大統領「自由の殉教者」に捧げる言葉

2025/09/22 更新: 2025/09/22

2025年9月10日、アメリカ・ユタ州の大学イベントで保守系活動家チャーリー・カーク氏(31)が銃撃され死亡した。21日、西部アリゾナ州グレンデールのスタジアムで盛大な追悼式が執り行われ、ドナルド・トランプ米大統領が参列した。トランプ氏は式典で「米国の自由と信仰のために戦った殉教者」とカーク氏を讃え、MAGA運動や宗教復興への影響・功績を強調した。

事件は全米に衝撃を与え、保守層や愛国者、若者、支持者ら数万人が会場に集まり、米国社会の分断と信仰回復が今問われている。

トランプ大統領は壇上に立ち、「彼は我々の国家のために正しいことを行った」と述べた。

「そして、あの悲劇の日、2025年9月10日、我が国の自由の最大の伝道者は不滅となった。彼は今や米国の自由の殉教者である。本日ここにいる全員を代表して、誰一人としてチャーリー・カークを忘れることはないことを断言する。そして、今や歴史も彼を忘れることはない。なぜなら、チャーリーは天にて創造主と再会したが、地上に残された彼の声は世代を越えて響き渡り、その名はアメリカ最大の愛国者たちの永遠の年代記に残り続けるからである。彼は永遠に生き続ける」

ドナルド・トランプ大統領は2025年9月21日、アリゾナ州グレンデールのステートファーム・スタジアムで開催された「レガシーを築く:チャーリー・カーク追悼イベント」にて演説を行った。Madalina Kilroy/The Epoch Times

トランプ氏「カークは『マスタービルダー』」

トランプ氏はカーク氏を「マスタービルダー:人々を築き上げる達人」と賞賛し、MAGA運動の結集を助けたことを評価した。

「チャーリーが最初に組織し始めたのは、支援と指導を求める若い黒人保守派だった」とトランプは語り、2016年の大統領選挙時のカーク氏の貢献を振り返った。

「チャーリーは大学キャンパスで迫害されるキリスト教徒やユダヤ教徒のために立ち上がった。チャーリーはオンライン検閲や言論の自由、キャンセルカルチャーを政治的論争の中心に押し上げた。彼は常に私のそばにいた」。

初期のターニングポイントUSAを回顧

トランプ氏はカーク氏の功績を讃える話として、12年前に保守系コメンテーターとして初めてウィスコンシン州の大学キャンパスに赴き、「Big Government Sucks(大きな政府は最低だ)」という3つの大きな言葉のテーブルを設置した時代を思い返した。

「あの日、チャーリーは自分に近づいてきた全ての学生と話をした。彼らの多くは、おそらく彼よりも年上だっただろう」とトランプは語った。

その後、カーク氏はターニングポイントUSAの初めての支部を設立し、300日間にわたり「資金を集めながら、全国のキャンパスに自らのメッセージを届けて回った」とトランプ氏は語った。

トランプ氏によれば、カーク氏は長年、両親の地下室や友人や支援者のソファを転々としながら、自身の政治運動を展開した。「決して楽な道ではなかったが、チャーリーは決して金銭のためにこの活動に取り組んでいたわけではない。彼は常に使命のために生きていたのである」。

『小さすぎる人間』など存在しなかった

トランプ氏は、カーク氏にとって誰一人として「小さすぎる」と見過ごされる人間はいなかった、彼がどれほど大きな存在になっても変わらなかったと述べた。

「数年前、小学4年生がチャーリーに自分のポッドキャストに出てほしいと頼んだ。その番組はおそらくその子の両親しか見ていなかっただろう。しかし、当時すでに大きな人気を得ていたチャーリーは、正直に言えば本当に忙しい状況だったが、それでも承諾したのだ」とトランプ氏は語った。

その小学4年生は助言を求め、カーク氏はこう答えたとトランプ氏は振り返った。「左派は世界のすべてを手にしているかもしれない。しかし彼らが私を働きで上回ることは決してできない」と。

トランプ氏はさらに、カーク氏が「必要とあれば何時でも起き、どれだけ早くても活動を始め、国のために戦うことをやめることは決してない」と語っていたことを思い出した。

「彼は最期の瞬間までそれを実践していた」、「まさにそうしていたのだ」とトランプ氏は述べた。

長年の脅迫に屈せず

トランプ氏は、カーク氏が長年にわたり殺害予告を受け続けていたが、それでも一度も退いたことはなかったと語った。

「彼は常に、実際に脅しを口にする者は心配する必要がないと考えていた」とトランプ氏は述べた。「本当に注意すべきは、脅しを口にしない者の方だ、と」。

さらにトランプ氏は、カーク氏はその危険を理解していたが、自らと共有していた信条を持っていたと明かした。「決して退くな、そして決して、決して降伏するな」――。

「彼はそれを強く信じていた」とトランプ氏は述べた。

「それは正しい。彼はまったく正しいのだ」。

宗教をアメリカに取り戻す

トランプ氏が合衆国に宗教を取り戻すべきだと訴えると、ステートファーム・スタジアムは大きな拍手に包まれた。

「私たちは宗教をアメリカに取り戻さねばならない。国境、法と秩序、宗教がなければ、国家はもはや存在しないのだ」とトランプ氏は述べた。

「宗教をアメリカに戻したい。神をかつてないほどに美しい米国に取り戻したい。神を戻したいのだ」。

さらにトランプ氏は、銃撃事件のニュースを聞いてすぐに祈り始めた数百万のアメリカ人の姿を振り返った。

「チャーリーはきっと喜んだだろう。銃声がユタで響いた直後、友人や同僚たちが神に栄光を捧げる声を聞けば、彼はどれほど満足したことだろう」と語った。

 

トランプ氏はカーク氏の追悼演説を締めくくる際、故カーク氏がターニングポイントUSAを通じて尽力したことに対し感謝の意を示した。

「あなたが成し遂げたことは実に素晴らしい」と大統領は語った。

「神がエリカ夫人と子供たちを祝福してくださいますように。神がアメリカ合衆国を祝福してくださいますように」。

その後、トランプ氏はエリカ・カーク夫人をステージへ呼び寄せ、参列者たちにも感謝を伝えた。

「神が皆様と共にありますように」とトランプは式典の参列者へ語り、その場を後にした。

エポック・タイムズで国家政治、航空宇宙、航空業界を担当する記者である。以前は「サラソタ・ヘラルド・トリビューン」でスポーツ、地域政治、速報ニュースを担当していた。
フロリダ州担当記者。米国の宇宙産業、テーマパーク産業、家族関連の問題も取り扱う。