米軍ヘリ 夜間訓練中に墜落 搭乗の4人死亡

2025/09/20 更新: 2025/09/20

米陸軍は9月19日、ブラックホークヘリコプターが17日午後9時ごろ(太平洋夏時間)、ワシントン州のリューイス・マコード統合基地(JBLM)近くで定例訓練中に墜落し、搭乗していた兵士4人が死亡したと発表した。現在も回収作業が続いており、事故原因について調査が進められている。

軍の発表によれば、亡くなった兵士はいずれも第160特殊作戦航空連隊に所属していた。この部隊は「ナイトストーカーズ(Night Stalkers)」の名で知られ、困難な夜間任務における高い遂行能力を持つ。また、海軍の「シールズ」、陸軍の「デルタフォース」や「レンジャー」といった特殊部隊を敵地に送り届ける任務も担っている。

墜落したのはMH-60Mブラックホークヘリコプターであり、事故現場は基地からほど近い険しい地形の人里離れた地域である。

米陸軍特殊作戦司令部の報道官ジャクイ・ヒル(Jacqui Hill)氏によると、事故現場は僻地であり、さらに墜落によって火災が発生し、植生が密集していたため、救助隊は現場に到達するのに大きな困難を強いられたという。

事故当時の天候は概ね晴れで、南風は弱かったと伝えられている。

ワシントン州自然資源局によれば、墜落によって小規模な山火事が発生し、19日朝の時点で1.25エーカー(約5059平方メートル)に広がっていた。ただし火勢は強くなく、同局は消防車1台のみを派遣したという。

現場では、JBLMの警察、消防、専門職員が回収や事後処理にあたっている。同基地はタコマ市(Tacoma)の南約20マイル(約32キロメートル)の地点に位置している。

陸軍によると、遺族への配慮から、死亡した兵士の氏名は「適切な時期」に公表される予定である。

今回の事故は、同部隊で近年2件目の致命的な航空事故である。2023年には東地中海での定例空中給油訓練中にヘリコプターが墜落し、第160連隊の隊員5人が死亡している。さらに2024年3月には、JBLMでの訓練中にアパッチヘリコプターが墜落し、2人の兵士が入院した。

陳霆
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