F-47ステルス戦闘機 米空軍が製造開始 2028年初飛行へ

2025/09/25 更新: 2025/09/25

アメリカ空軍は次世代ステルス戦闘機「F-47」の製造を開始したことが明らかになった。第六世代戦闘機の開発競争が激化する中、F-47は2028年に初飛行を予定しており、米中両国の軍事技術競争の象徴となっている。

空軍参謀総長デビッド・オールビン大将(Gen. David Allvin)は、空軍協会の公式誌『Air & Space Forces Magazine』の取材に対し、「チームは2028年に初号機の初飛行を実現するために全力で取り組んでいる」と強調した。

オールビン大将はさらに「我々が公表してから数か月しか経っていないが、最初の試作機の製造はすでに始まっている。我々は迅速に計画を進める態勢を整えている。なぜなら迅速な行動が求められているからだ」と述べた。

同年、空軍協会がメリーランド州で開催した「航空・宇宙・ネットワーク会議」において、オールビン大将は、今年3月にボーイングが総額200億ドル規模の契約を獲得し、F-47の製造に着手したことを明らかにした。

F-47は、かつて「次世代航空支配」(Next Generation Air Dominance、NGAD)プラットフォームと呼ばれていた機体であり、F-22「ラプター」の後継としてアメリカ空軍の将来の制空戦力を担う計画である。この開発計画はバイデン政権下で一時中断したが、トランプ政権時に再始動した。第47代大統領に就任したトランプ氏は、ホワイトハウスでの記者会見においてこの機体を発表し、「世界のどの戦闘機もこれには及ばない。この機体はF-47と名付けられることになる」と述べていた。

F-47の主な特徴と性能

F-47の詳細は最高機密とされているが、先進的なステルス技術、人工知能、量子コンピューティングの統合に加え、半自律型無人機との協同運用が想定されている。米空軍が5月に公開したコンセプト図によれば、戦闘行動半径は1千海里(約1150マイル)を超え、最大速度はマッハ2(音速の2倍)を上回るとされる。つまり、時速1500マイル以上で飛行可能と推定されている。

また米空軍は、少なくとも185機のF-47を調達する計画を示しており、これは現在のF-22保有機数と同等かそれを上回る規模となる見込みである。オールビン大将は「このプラットフォームは他のシステムと統合され、将来の空中優勢を確保することになる」と述べた。オールビン大将はまもなく退任予定だが、後任が決定するまでは参謀総長として任に当たる。

ボーイングはコメントの要請に応じていない。

ボーイングは米海軍が進める次世代艦載戦闘機計画「F/A-XX」にも関与している。ボーイングが公開したF/A-XXのコンセプト図は、F-47のイメージと多くの類似点を持つと指摘されている。

今回の発表は、アメリカと中国が世界初の実戦配備可能な第六世代戦闘機の開発をめぐって激しい競争を続ける最中に行われた。こうした新型兵器は将来の空中優勢を確保する上で重要な要素と位置づけられている。

中国共産党も同様に次世代機開発を進めているとみられ、9月3日に開催された軍事パレードでは、新型空母搭載戦闘機が初公開された。ここでは電磁カタパルトを用いるJ-15T、改良型の電子戦機J-15DHやJ-15DTなどが披露された。また中国の第5世代戦闘機の2機種目にあたるJ-35も公開され、中共国営中央テレビ(CCTV)の報道によれば、同機は艦載早期警戒管制機KJ-600とともに最新鋭空母「福建」でカタパルト発艦と着艦試験を完了したという。

さらに、インターネット上には「J-36」「J-50」と呼ばれる試作機の写真や動画も流出しており、それらは三発エンジンを採用し、全遊式尾翼を持たない設計でアメリカのNGAD(次世代航空支配)に酷似していると報じられている。

同じくメリーランド州での会議で、空軍長官トロイ・メインク(Troy Meink)氏はF-47のプロモーション画像を公開した上で、中国共産党(中共)がアメリカの設計を模倣しようとしている姿勢を皮肉った。メインク次官は「中国の諜報担当者たちはこの1枚の画像を食い入るように見つめ、相当の時間を費やすことになるだろう。幸運を祈る」と述べた。

Bill Pan
エポックタイムズ記者。教育問題とニューヨークのニュースを担当。
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