10月初めのこの数日は、中国共産党政権76周年の時期だ。中国共産党(中共)の利益集団から見れば、これは記念して誇るべき日であり、彼らは中国全土の人に8日間の休暇を与えて、いわゆる「国の祝日」としている。しかしこれは明らかに概念のすり替えだ。「中国」という国名は百年以上前から存在しており、中国は中共が作った国ではない。
中共も中国そのものではない。彼らがこのようなことをするのは、自らの統治に有利だからだ。愛国心と愛党心を一体化し、「愛国するには党も愛さなくてはならない。党を愛さない者は愛国者ではない」と仕立て上げている。
目覚めた中国の人々から見れば、10月1日は悲しい日、「国殤日」だ。それは76年前のこの日、中国の人が中共の暴政支配の時代に入り、災難の始まりとなった日を示している。
土地改革・鎮圧運動(1949年~53年)、三反五反運動(1951年~52年)、反右運動(1957年から数十年続く)、大躍進と三年大飢饉(1958年~61年)、四清運動(1963年~66年)、文化大革命(1966年~76年)、計画出産運動(1982年~2015年)、天安門六四事件(1989年)
ここに挙げたのは一部の運動のみだ。どの運動も、背後には何万人、何十万人という人々が処刑・秘密殺害されたり、異常死したりしている。冤罪や誤判、拷問、傷害、強制労働、投獄などの被害者は数知れない。この時代は間違いなく中共が人を人として扱わなかった時代だ。
20世紀末から2012年になると、中共は仕事の重心を階級闘争から経済建設に移し、人々への抑圧や統制を緩め、GDPは急速に増加した。これを中共は自賛の材料にしている。
彼らは「政権運営能力」の高さを強調しようとしているが、実は政権の正当性がないことを隠すためだ。わずかでも中国人民に自由が与えられると、その勤勉さや賢さ、粘り強さが注目すべき成果を生み出せる。それは、はっきり人民自身の成果であり中共の成果ではない。
実際、中共のGDP成長は14億という低賃金・低人権状態の「人口ボーナス」に依存している。そのGDPの質は高くなく、ほとんどの国民はようやく食べていける水準にとどまり、不動産バブルは多くの家族の財産や30年後の消費力を奪った。大規模なインフラ建設や不動産バブルで、中共官僚やその取り巻きは莫大な富を手にし、中国の貧富格差は世界一となっている。
2012年に習近平体制が登場した際、多くの人は期待や幻想を抱いた。なぜなら習近平の家族はかつて共産党の粛清や迫害を受けた経験があり、習近平が台湾や韓国のように中国を徐々に民主化に導いてくれるのではと願ったからだった。
しかし現実は残酷に裏切られた。この十数年で明らかになったのは、習近平が毛沢東路線を歩んでいることだ。彼は憲法を改正し任期制限を撤廃、権力集中と個人崇拝を強め、異分子は徹底的に粛清し、一気に左傾化して国有企業を強化、有名企業は接収し外資は追い出し、信義や契約を信じず私有財産・人材・科学技術の保護を顧みなかった。
「新型コロナウイルス(中共ウイルス)」の流行後、中共は感染状況を隠し世界中にウイルスを拡散させ、その死者数は正確に推計できない。国外で数百万人、千万規模とも言われ、中国は感染の中心地ながら死者数は常に隠蔽されている。
パンデミックによるロックダウンで中国社会は3年にわたり中共の非人道的な統治にさらされ、無数の人々が路頭に迷い、家庭は崩壊し、経済は悪化、失業率は高止まりした。すべての国民は彼らが自己利益を実現するための手段・道具とされ、普通の人々は一生かけて重労働し、世界一高い税や手数料を支払わされても福祉はない。教育・医療・住宅・年金という「四つの大きな山」この重圧のもとで息をつけず、中共官僚だけが世界級の特権を手にしている。
言論の自由、信教の自由、結社やデモの自由はすべて圧殺され、奪われている。中共の長年の洗脳と嘘の宣伝工作により、多くの人は論理的思考力や善悪の判断力を失い、中国全土で白黒が逆転し価値観がねじれた現象が蔓延している。
中共は対外的には金をばら撒き、支持者を買収しリベートを得つつ、密かに普遍的価値観に反対するテロ組織を援助している。
「法より上にいる」独裁者たち同士が互いに慰め合い、団結し、民主・文明世界に対抗し、普遍的価値を持つ国への浸透を図り、共産主義・ファシズムの輸出を行っている。中共が存在する限り、世界は平和を得ることはない。
人を人として見なさない国家は永続できない。その理由は2つある。1つ目は、人民の怒りと「維穏(治安維持)」の間の矛盾はどうしても解決できないためだ。コロナ禍の3年間、中共は人民を家畜のように扱い、2022年、怒った国民は街頭に出てバリケードや障壁を打ち倒し、白紙を掲げて「共産党下台、習近平下台(共産党は退陣しろ、習近平は退陣しろ)」と叫ぶ「白紙革命」を起こした。中共は大いに動揺し、敵対するものとして残虐な弾圧と後追いの粛清をした。この運動が原因で、封鎖を早期に解除した。
異論者、民主運動家、宗教信者、少数民族への抑圧のため、中共は世界一の治安維持組織を作り、その維持費は軍事費をしのぐまでになった。もともと中共経済は深刻な下降傾向で、一部地方政府は公務員の給料も払えず、毎年の維持費はさらに増え、財政収入は維穏費(社会の安定を維持するために使う予算)で食い潰されている。
財政が維穏費を賄えなくなれば、警察をはじめとする治安維持組織は自ら収入源を求めざるを得ない。中共は「維穏」を名目にした市民への嫌がらせや金銭要求を黙認し、「遠洋漁業」といった現象まで起こっている。市民生活への干渉や凶悪事件は幾何級数的に増加し、ある水準を超えた時にはもはや抑えきれなくなり、社会秩序は崩壊した。こうなれば革命やクーデターが勃発し、中共崩壊の一因となる。
2つ目は、独裁者の傲慢と世界平和秩序との矛盾はどうしても解決できないためだ。習近平の周囲にはお世辞や太鼓持ちしかおらず、異論を言う者は粛清した。
彼の側近たちは「何でもできる」と持ち上げ、台湾を「解放」し中国を統一できると吹き込み、その時、中共政権の正当性は頂点に達し、国内の矛盾は外向けに転嫁され、習本人は毛沢東のような偉人になれるかもしれない思う。
へつらいや虚偽情報に包まれた彼は、誤った自信で愚かにも台湾武力統一戦争を仕掛けることも現実的にあり得る。砲撃が始まれば、生きとし生けるものが塗炭の苦しみとなり、中共は台湾・中国いずれの人も人間として扱わず、平和と文明を敬愛する世界は、習近平の武力統一を見逃さず、容認しない。これが2つ目の中共体制崩壊のパターンだ。
以上、いずれのシナリオでも、中共の独裁支配は終焉する。
「人を人間として見なさない」中共体制は一日も早く終わるべきだ! 中国人民が自由や民主主義、立憲主義を獲得し、本当の「新中国」を共に祝える日が来ることを願う。
責任編集:金岳
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