米上院議員 ワシントンD.C.と北京の姉妹都市の現状調査を求める

2025/10/27 更新: 2025/10/27

ワシントンD.C.は、8月に公式サイトから北京との姉妹都市協定を削除したが、この措置について正式な声明は出していない。この動きは連邦上院議員らの関心と疑問を呼び、多くの議員が市長に説明を求める事態となっている。

マーシャ・ブラックバーン上院議員は10月24日、自身のサイトで、トミー・タバービル氏、トム・コットン氏、リック・スコット氏、テッド・バッド氏ら共和党上院議員と連名で、ワシントンD.C.と北京の姉妹都市関係の現状について、ミュリエル・バウザー市長に質問状を送付したと発表した。

議員らは書簡で、今年初めの時点では市政府公式サイトにおいてワシントンD.C.は北京と姉妹都市協定を維持していたが、8月以降、公開している姉妹都市のリストから北京が削除されていると指摘した。

また、これは国家安全保障に関わる問題であるとし、アメリカと外国都市との正式・非正式な協定が外国政府に利用されることを防ぐ必要があると強調した。特に、中国共産党(中共)がプロパガンダやソフトパワーの拡大、異論封じの手段として姉妹都市協定の利用を阻止しなければならないと述べている。

書簡では、①北京との姉妹都市協定が正式に終了したのか、それとも一時的に停止されているだけなのか、②ワシントンD.C.と中共の政府機関との間で締結された、または現在有効な了解覚書・契約・協定の写し、③リスク軽減のために他の国際パートナーシップの見直しを行っているか――といった点について、明確な回答を求めている。

この質疑は、ブラックバーン議員が今年初めに提出した法案に基づく行動だ。同法案は、ワシントンD.C.が中共、ロシア、イラン、北朝鮮など「敵対国」に属する地域と姉妹都市関係を維持することを禁止する内容となっている。

7月17日には、下院でも動きがあった。米中戦略競争特別委員会のジョン・ムレナール委員長が複数の共和党議員とともに「コロンビア特別区姉妹都市の透明性法案」を提出し、ワシントンD.C.政府が「敵対外国」に属する地域との姉妹都市関係を締結または維持することを禁じると定めた。

この法案では、施行後、ワシントンD.C.は該当する姉妹都市関係を180日以内に終了しなければならず、従わない場合、連邦資金による国際交流活動を禁止するとしている。

ムレナール議員は声明で、ワシントンD.C.の市民は言論、請願、集会の自由を有しているが、中共の統治下にある北京では中国国民にこれらの権利がないと指摘した。

また、ワシントンD.C.が姉妹都市協定を結んでいる国々の中で、中共は人権状況の悪化により特に問題が大きく、この関係が極めて懸念すべきものであると述べた。

報道によれば、ワシントンD.C.と北京は1984年から姉妹都市関係を維持しており、複数回にわたり更新されてきた。直近の更新は2012年に行われたものである。

今年6月4日、中共による天安門民主化運動弾圧から36周年の節目に、ムレナール議員ら共和党下院議員はバウザー市長に対し、ワシントンD.C.と北京の姉妹都市関係を終了するよう求める書簡を送付したが、現在までに返答はない。

現時点で、バウザー市長の事務所は、この件に関していかなるコメントも発表していない。

高杉
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