イスラエル首相府は10月30日、同日早朝にハマスが国際赤十字委員会を通じて、ガザで拘束中に死亡した人質2人の遺体をイスラエル側に引き渡したと発表した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相府によると、この2体の遺体はハマスがガザ地区で赤十字に引き渡した後、イスラエル軍が受け取り、身元確認のため関係機関に送られたという。
イスラエルとハマスが合意した第一段階の停戦協定に基づき、ハマスは生存している全ての人質を釈放し、その見返りとしてイスラエルは約2千人のパレスチナ人囚人を解放した。同時に、イスラエルは一部の部隊を撤収し、攻撃を一時停止し、ガザへの人道支援を拡大させた。
協定によれば、ハマスはさらに、死亡した28人の人質の遺体を引き渡し、戦闘で死亡した360人のパレスチナ武装勢力の遺体と交換することになっている。
人質の返還はガザ和平計画の要であり、この計画では、ハマスが10月13日までに残る全ての人質を生死を問わず引き渡すことが求められていた。その中には20人の生存者と28人の死亡者が含まれていた。
しかし、30日の時点で、ハマスが引き渡したのは15体の遺体にとどまっている。今回新たに引き渡された2体が人質の遺体であることが確認されれば、残る人質の遺体は11体となる。
ガザ停戦協定の履行開始以来、イスラエルはハマスが協定に繰り返し違反していると非難しており、その中でも最も重要な点の一つが、ハマスが期限内に全ての死亡人質の遺体を返還していないことである。
さらに、この2週間余りの間に双方は互いに協定違反を非難し、数回にわたって衝突が発生している。最新の衝突は28日に起き、イスラエル兵1人がガザ南部ラファ(Rafah)でハマスの襲撃により死亡した後、イスラエルがガザに対して新たな空爆を行った。
一方、ハマスはラファ地域でイスラエル軍を攻撃した事件への関与を否定している。
ハマスは当初、死亡した全ての人質の遺体を引き渡すことに同意していたが、その後、ガザの施設が戦闘によって破壊され、一部のトンネルも崩壊したため、組織として一部の人質の遺体を発見・回収できない状況にあると説明した。
イスラエル軍は新たに受け取った人質の遺体を搬送後、テルアビブの国家法医学センター(National Center for Forensic Medicine)に移し、身元確認を進めている。
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