国家が証拠を握りつぶし、誰もが恐れて声を上げられず、実際に語った者たちは次々と姿を消していった。
公式ルートからは何も出てこない。出てきてはならない。
真相へ続く道はすべて閉ざされた。
その行き場のない状況の中で、人々は霊界に突破口を求めた。
編集部注
当編集部は、霊的分野の話題を扱うこともあるが、社会事件の報道において霊的証言を引用することは、本来きわめて慎重を要する行為である。通常、検証が困難な情報や、実証に至らない現象を積極的に取り上げることはしていない。
しかし、于朦朧事件をめぐっては、中国当局による徹底した情報統制のため、現地から確かな証言や資料を得ることが極めて困難な状況が続いている。声を上げた市民は次々と姿を消し、目撃者の所在も確認できず、公式ルートからは何ひとつ開示されないまま時間だけが過ぎていく。
こうした行き場のない環境の中で、市民は自ら調査を進め、最終的には霊媒やEVPといった「霊的領域」にまで手を伸ばすようになった。霊界の証言は本来、報道の対象ではない。しかし今回に限り、霊界への関心そのものが海外の華人コミュニティや台湾メディアでも大きく取り上げられ、一種の社会現象として無視できない規模に達している。
当編集部は、霊的証言の真偽を保証する立場にはない。ただし、徹底した情報封鎖のもと、多くの人々が「そこでしか突破口が見つからない」と感じ、霊界に耳を傾けざるを得なくなっているという現実は、事件を理解するうえで避けて通れない重要な背景である。
信じるかどうかは、読者の判断に委ねたい。
本稿は、いま中国社会で起きている「現象」を記録するための、例外的な報道である。

一 沈黙する国家、追い詰められた市民
中国人俳優・于朦朧(ユ・メンロン/ユ・モンロン/アラン・ユー、37歳)は2025年9月11日に北京の高級住宅地で転落死したと公式には報じられた。しかし一方で、死亡日は9月9日前後であり、転落による死ではなかったとする声も浮上している。
当局は事故発生から12時間以内に「飲酒後の不慮の事故」としたが、死因の詳細は一切説明されなかった。しかし、住民たちの証言と残された映像は、事故死では説明不可能な矛盾 を次々と示していた。

転落の前日から現場前にはパトカーが停まり、住民とは異なる雰囲気の複数の男たちがロビーで警戒していた。また、北京・朝陽区公安のトップが事故当時に現場付近で目撃されていたという情報もある。
さらに、住民が撮影したとされる映像には、「于朦朧!」とその名を呼び、「助けて!」と叫ぶ女性の声がはっきり残っていた。別々の映像には、倒れた女性、拘束された男性、複数の銃声らしき音がそれぞれ記録されていた。

(「消された目撃者(女性3人・男性1人)」として伝えられる、墜落現場の高級住宅(陽光上東小区)で撮影されたとされる動画。「お兄さん!早く逃げて!」「通報するよ!」「助けて!」という女性の声に対し、「動くな」「騒ぐな!」と威嚇する男の声が重なって記録されている)
これらはいずれも公式に裏付けられていない。
しかし情報が積み重なるほど、「事故」という説明は説得力を失っていった。

さらに事件後、住民の間では「関係者」を名乗る者から口止め料を受け取り、「しゃべれば命はない」と脅されたという声が広がった。現場を見聞きできる「近接住戸群」は数十世帯。すべてに口止め料が配られたとすれば、総額は数十億円規模になる。
また事件後の販売サイトには約100戸が通常の半額で一斉に売り出され、住民からは『ここに住み続ければいつ消されるか分からない』という声が上がった。

SNSでは徹底した封殺が行われ、数千のアカウントが凍結され、十万件を超える投稿が削除された。
「あなたと共に(与你同在) 于朦朧を返して」と書いた紙を車に貼っただけで、市民の自宅に警察が押しかけ、口を閉じるよう強く迫った。また事件後、「デマ拡散」を理由に市民3人が拘束されたとの情報も広がった。

芸能界も口を閉ざした。事件現場となった高級団地は北京で二番目に多くの芸能人が住むとされ(総勢約80人)、著名人も多かった。
住民の証言によれば、于朦朧の悲鳴は何日も集合住宅中に響きわたっていたという。しかし、誰一人助けに入る者はいなかった。「助ければ自分も消される」という恐怖が団地全体を支配していたからだ。
(ネットに流出した動画。その中には、于朦朧のものとされる悲鳴が記録されている)
事件を「おかしい」と訴え、立件を求めた警官が次々に職を失ったという話が市民の間で広がった。声を上げた者が次々と姿を消す現実を前に、市民はようやく理解した。警察上層すら動かせない「背後の力」が存在し、もはや誰も動けないのだ。
そして公式のルートは完全に閉ざされ、沈黙だけが残った。
二 国民総探偵
于朦朧という青年がどれほど善良で、どれほど苛酷な環境に耐え続けてきたか。調査が進むほど明らかになっていった。
彼が耐えていたのは孤独だけではない。搾取、性的強要、日常的な暴力。交友関係から生活の細部まで徹底管理され、食事さえ満足に与えられていなかったとされる。

それでも彼は、誰に対しても驚くほど優しく、礼儀正しく、節約生活を送り、庶民価格の服を買っては丁寧にレビューを残し、白血病の子どもや被災地への寄付を続けていた。そして亡くなった後も、慈善機関への寄付が彼の口座から引き落とされ続けていたという。
自分自身は生き地獄のような状況に置かれながらも、生前の短い動画で彼は静かにこう語っている。
「人として生まれた以上、太陽の射すほうへ、明るい方向へ、希望を抱いて生きたい」
その言葉は、どんな暴力にも支配にも染まらず、最後まで「明るさ」と「善良さ」を手放さなかった彼の本質を象徴していた。

そして事件直前に撮られた映像では、逆さ吊りにされながら、涙声でこう訴えた。
「25歳からコントロールされてきた」
「死んでも脅迫には屈しない」
さらに市民が過去の映像を見返す中で、彼は何度も“助けて”のサインを出していたことが分かってきた。
(「助けを求めるハンドサイン(SOSサイン)」を出す于朦朧)
映像や写真を詳しく検証した人々の間では、于朦朧の顔や首にメイクでは隠しきれない深い傷が常に見られたと指摘されている。実際、彼のメイク担当者も「彼の顔にはいつも傷が多く、メイクには非常に時間がかかる」と口にしていたという。
市民調査が進む中で、彼が頻繁に帽子やマスクを着用していた理由も、ただの「カッコつけ」ではなく、ちぎられた髪や抜かれた歯、傷だらけの顔を隠すためだったと指摘されている。


(于朦朧の顔の傷跡や不自然に薄くなった髪)
さらに、その顔には加害者の一人とされる人物の名字「辛奇(しん・き)」の「辛」の字を逆さに刻んだような痕まで確認できるという声も上がっている。

(于朦朧の頬に残った深い傷跡。加害者の一人とされる人物の名字「辛奇(しん・き)」の「辛」の字を逆さに刻んだような痕が見えるとの指摘もある)
さらに市民調査が進む中で、彼が複数の男たちに囲まれ暴行を受け、最終的に虐殺へ至る過程が、高額な入場料を必要とする闇サイトで「生配信」されていたという証言が相次いだ。
視聴者とされる人々は口々に語った。「目を覆いたくなる」「人間のすることではない」「愛犬までも巻き込まれ命を落とした」
流出した映像や音声には、暴力に耐える彼の悲鳴、そして、愛犬の名を必死に呼ぶ声が残されていた。これらの断片に触れた多くの市民は、胸が締めつけられるような痛みを覚えずにはいられなかった。
(流出した音声には、暴力に耐える于朦朧の悲鳴)
こうした事実に触れた多くの市民は、胸の痛みを抑えることができなかった。
善良な青年が、なぜあれほど残酷な死を迎えなければならなかったのか。市民の怒りと悲しみは深かった。怒りは多くの人々を動かした。
彼の過去配信や膨大な映像を解析して手がかりを追い、名義で登録された大量のダミー会社を調べ、関係者の動向や資金の流れを追跡する者もいた。
こうして市民が総力を挙げて行った調査は、やがて「国民総探偵(中国語:全民福爾摩斯)」と呼ばれるようになった。
しかし――その努力がどれほど膨大であっても、司法が沈黙する国では、公的な「証拠」にはなり得ない。加害者とされる人物たちは今も表舞台で何事もなかったかのように振る舞い、調査する市民のほうが危険に晒された。
市民調査には限界があった。どれほど「真実」に近づいても、地上で正義が実現する見込みはほとんどない――。
人々は静かに悟り始めた。──地上のルートは、すべて塞がれている。

中央:于朦朧の愛犬(殺害されたとされる)の写真を使い、尋ね犬を装って真相を訴える市民自作のポスター。
右:真相究明を求めて、捜査機関へ送り続けられた市民からの手紙(ネットより)
于朦朧事件の真相究明を求めるAVAAZ署名。誰でも参加できる国際署名サイト(クリックで署名ページへ移動)
三 霊界という「もう一つのルート」
地上の道がすべて閉ざされたと感じたとき、人々は次第に「別の方向」へ目を向け始めた。
司法が動かないのなら、せめて天に向かって祈るしかない――そう考える市民が増えていった。
加害者に正義が下るように、彼の魂が安らげるようにと祈る声が、SNS上に静かに広がった。
やがてネットには、「于朦朧があの世で加害者たちに復讐している」「加害者たちは夜も眠れなくなっている」「まもなく天罰が下る」といった趣旨の動画や投稿が目立ち始めた。
事実かどうかは別として、こうした表現には「何もできない市民の切実な願い」が滲んでいた。

そして、ほぼ同じ時期に――世界のあちこちで、「于朦朧の声を聞いた」と語る者たちが現れ始めたのである。
英国、米国、台湾。互いに面識もなく、文化も言語も異なる霊媒たちが、ほぼ同時期に、そして驚くほど似た内容を口にし始めた。
「彼は事故ではないと言っている」
「罠だったと訴えている」
「まだ伝えたいことがある」
その一致が、人々の視線をさらに霊界へと向かわせた。
四 霊媒たちが受け取った「声」(随時更新)
(※霊媒の主張であり、事実として確認されたものではない)。
■ 英国の霊媒 タイ・ウィリアム(Ty William)
YouTube:@tywilliam3225(クリックでチャンネルページへ)

タイ・ウィリアムは最初の配信まで于朦朧を知らず、中国の出来事を扱ったこともなかった。
しかし休んでいた時期に、于朦朧の霊から「ファンに伝えてほしい」と繰り返し求められ、予定を変更して2025年9月23日に最初のライブ配信を行った。配信中には「彼は今、私のそばにいる」と告げ、事実上の「共同配信」であったとしている。
ウィリアムは視聴者からの寄付を一切拒否し、「真実のために伝えているだけ」と明言した。
初回配信の後には脅迫や嫌がらせが相次ぎ、発信を妨害しようとする勢力から「黒魔術」をかけられて体調を崩したと述べているが、のちに回復し、現在も于朦朧のメッセージを発信し続けている。
以下は、彼女が受け取ったとする主要な内容である。
・于朦朧は、自らの死は事故ではなく「生贄として殺された」と訴えた。犯行は事前に計画されており、従順に振る舞っていても避けられず、目的は彼のエネルギーを奪うことだったと語った。また「自分が善良であり続けることが、逆に彼らを狂わせた」と述べ、「善良さ」こそ狙われた理由だったと説明した。
・儀式には円形の物体が使われ、関与したのは普段は弱々しく無害に見える男女で、その人数はおよそ6人であったと示した。
・于朦朧は芸能業界の権力者からの性的暴行を長期間受けて、また「奴隷契約」による支配を受けていたと説明、自分だけでなく他にも被害者がいたと訴えた。
・地下施設やホテルの部屋には、失踪者や若い芸能人を含む47〜48人が拘束されていると訴えた。
・友人俳優として「郭俊辰」の名を挙げ、同じ勢力から「次の標的」として狙われるおそれがあるとして注意を促し、「彼のために祈ってほしい」と視聴者に求めた。
ウィリアムは、于朦朧が求めているのは「復讐ではなく正義」であると感じていると述べている。

■ 米国の霊媒 カンディス・スター(Kandis Starr)
YouTube:Kandis Starr →(クリックでチャンネルページへ)

カンディス・スターは、行方不明事件や凶悪事件の調査に携わり、警察への手がかり提供で実績を残してきた「実務型」の霊媒である。海外では「霊媒界のシャーロック・ホームズ」とも呼ばれ、事件解析能力の高さで知られる。
彼女の配信で「于朦朧の声」とされる音声は、ネット上で数百万回再生され、大きな反響を呼んだ。
(米国の霊媒・カンディス・スターの配信中に収録されたEVP録音。于朦朧のものとされる泣き声と「ハイ」の声が記録されている)
于朦朧の件を取り扱った際、彼女の手は震え続け、自分でも知らない文字を手が勝手に書いていたという。人生で最も苦痛を伴う通霊体験だったと語り、痛みや拷問、犠牲、搾取といった情景が一気に押し寄せた。
ライブ配信中には、彼女は何度も両手で顔を覆い、涙を流し、驚きと悲しみに言葉を失い、「少し待って、気持ちを整理させて」と何度も配信を中断している。「これほど深い闇を感じた事件は、これまでになかった」と振り返っている。

以下は、彼女が受け取ったとする主要な内容である。
・EVP録音には、于朦朧の「ハイ」という声のほか、「殺された」「罠だった」という言葉が繰り返し入っていたという。また「叫び」「注射」といった言葉が記録された。
・通霊中、彼は「痛い」「やめて」といった断片を伝え、薬物投与や拘束、気絶を示す反応が続いた。カンディスは「暴力と混乱の中で命を奪われた」と受け取ったとしている。
・さらに通霊では複数の実名が現れたと述べた。 范世奇/辛奇/宋伊人/杜強/周品/田海栄/高泰宇。これらはあくまで霊媒が聞き取った情報であり法的証明ではないが、中国の市民調査グループが追跡してきた人物群と重なる点が多く、ネット上では「点がつながった」との議論が起きた。

・カンディスは、于朦朧が「自分以外にも大勢の被害者がいる」と語ったと説明した。彼は「犠牲をこれ以上出さない唯一の方法は、“契約を結ばないこと”だ」と強調したという。彼女はこの「契約」を、魂の自由と引き換えに差し出す危険な誓約として捉えている。
通霊を終えたカンディスは、「これは霊的事件ではなく、構造的な搾取の問題だ」と述べ、于朦朧がいまも「真実を伝え続けている」と語った。
■ 米国の霊媒 ミス・ディーン(Miss Dean)
YouTube:@AWalkwithTheAncestorsMsD-qz2vg(クリックでチャンネルページへ)

ミス・ディーンは、米国を拠点に活動する霊媒。霊視を通じて象徴的なイメージや断片的な情景を読み解き、ライブ配信や動画投稿を通じて視聴者に事件・行方不明案件を含む「霊的なメッセージ」を伝えている。
彼女が于朦朧の件を取り上げたのは、2025年11月11日のライブ配信である。配信中、彼女は感情が激しく揺さぶられ、時折言葉を詰まらせたり、涙ぐんだりする場面があった。「これは通常の霊視ではない」「胸が締めつけられる」と言い、何度も深呼吸しながら続けた様子が印象的であった。
以下は、彼女が受け取ったと説明した主な内容である。
・于朦朧の死は単独の殺害事件ではなく、彼女は事件を「まるで飢餓ゲームと韓国ドラマ『イカゲーム』、そしてドラマ『Wayward』を合わせたような拷問システムだ」と語った。
・中国国内には、このシステムを運営する地下施設が少なくとも3〜4カ所あり、国外の闇ネットワークとも連動している映像が霊視で繰り返し現れたという。
・于朦朧は「監禁」「利用」「儀式」「犠牲」といった断片の言葉を伝え、拷問と心理的支配が長期間続いていたと感じ取ったと語った。
・彼は「これは仕組まれていた」「自分は選ばれていた」と伝え、個人ではなく「組織的な搾取」の犠牲になったと示したという。
・霊視の中で、複数の人物像が「監視役」「実行役」「儀式の参加者」として浮かび上がったが、詳細な実名は明かさなかった。
・ミス・ディーンは「于朦朧は今も訴え続けている。彼の死は氷山の一角であり、背後には他の被害者が存在する」と語った。
配信を終えた彼女は、「これは単なる霊的な読み取りではなく、巨大な構造的暴力の問題だ」と述べ、于朦朧の事件が「偶然の悲劇ではない」という強い感触を残したと説明した。
■ 台湾の霊的探検チーム「204檔案」(204 Files)
YouTube:@204(クリックでチャンネルページへ)

「204檔案(204 Files)」は、台湾で活動する男性兄弟が運営するYouTubeチャンネルである。彼らは5年前から深夜の墓地や廃墟で電子音声現象(EVP)を用いた「霊的探検」を行っており、特定の宗教には属さず「科学探検」を名乗る独自のスタンスをとっている。
この兄弟チームは、于朦朧の死後、複数回にわたり霊との交信を試み、その録音を公開した。動画は華人圏全体に拡散し、台湾のオンライン番組でも紹介され、大きな話題となった。
録音では、誕生日を尋ねると正確な日付が返り、出身地を問うと「ウルムチ(于の故郷)」と答える声が記録された。出身地を答える声は生前の本人の声質に非常に近かったとされ、視聴者からは「鳥肌が立った」との反応が相次いだ。
(台湾メディア・東森新聞が報じた「204檔案」による于朦朧の霊との交信画面)
さらに録音には、「自分は殺された」「罠だった」といった語句が繰り返し現れ、ネット上で早くから流出していた被害情報と一致していた。
また、「背後にいる最大の人物は誰か」という質問には「習近平」と答える声が記録され、「監禁」「利用」「儀式」「犠牲」などの語彙も頻繁に登場した。
複数の質問に整合性のある内容で応じたことから、視聴者の間では「点と点がつながった」と受け止められ、議論はさらに過熱した。
録音を終えた204檔案は「人間界で真相が隠されるなら、霊界が証言する」と述べ、今後も追加の記録を公開していく考えを示している。
実証性については議論が残るものの、このEVP録音は、于朦朧事件を市民が再調査する大きな契機となっている。
● EVP(電子音声現象)とは
EVP(Electronic Voice Phenomenon=電子音声現象)は、1950年代後半、スウェーデンの音響技師フリードリヒ・ユルグソンが野鳥の録音中、亡き母親の声に似た音声を偶然記録したことをきっかけに注目されるようになった。その後、心理学者で超常現象研究者のコンスタンティン・ラウディヴェが再現実験を重ねて体系化し、その存在は国際的に知られるようになった。
EVPの録音には高感度マイクや録音装置が使われ、通常の環境音とは異なる帯域の“声”が記録されるとされる。ラジオ放送やトランシーバーの混信とは明確に異なるため、心霊研究の分野で用いられてきたが、科学的な統一見解は存在せず、解釈には慎重さが求められる。
■ 占術や風水の専門家・馬先(マ・シエン)
YouTube:@realmaxian(クリックでチャンネルページへ)

中国伝統の占術・風水・四柱推命などを扱う命理師として、30年以上活動してきた命理師(鑑定家)・馬先(マ・シエン)は、于朦朧事件について「儀式的な側面」を指摘した数少ない人物である。
彼は古典玄学の文献に基づき、生贄儀式に見られる構造を丁寧に説明し、その要素が事件映像の異常さと驚くほど一致していると語った。
彼が説明する儀式には、「生者のエネルギーを供物とする」「複数の担い手が魂魄を拘束する」などの象徴的工程が含まれ、これはオカルトではなく古典文献に基づく「儀式手順」だという。
実際に于朦朧が生前、複数の人物に抱えられ、建物内を移動させられていた映像とも重なる。
さらに馬先は、献祭儀式では七つの「魄(たましい)」を呼び出す担い手が順に決まった言葉を発し、そのうちの掛け声の1つが 「好吃(邦訳:美味しい)」 だと説明した。これは、ネット上で「加害者の疑惑がある」として名指しされているプロデューサー・程青松が于朦朧の墜落当日に自身のSNSに投稿した「好吃」の二文字、その投稿をすぐに削除するという不可解な行動とも一致し、強い疑問を呼ぶ結果となった。

当初は「生贄などありえない」と一笑に付していた人々も、古典資料と映像の一致が示されるにつれ、態度を一変させた。「これは偶然ではない」と認めざるを得なくなったのである。
馬先の分析は霊的主張ではなく、古くから続く儀式文化の象徴原理にもとづく専門的な分析であり、事件理解を大きく揺さぶる転換点となっている。
※命理師とは、算命学・風水・四柱推命・運勢鑑定などの 東アジア伝統占術の専門家。
■ 台湾の命理師・沈嶸(シェン・ロン)
YouTube:@東區嶸姐-沈嶸(クリックでチャンネルページへ)

台湾の命理師・沈嶸(シェン・ロン)は、独自の霊的技法で于朦朧の「エネルギー」を追跡した際、「自ら命を絶った波長ではない」「虐待・陥れ・暴力・性的暴行の痕跡がある」と感じ取ったという。さらに、彼の意識には「命の危険を前から察していたような信号」も残っていたとする。彼女によるこうした「追跡」は、台湾紙『自由時報』でも引用され報じられている。
実際、今年8月に于朦朧が空港に現れた際、目元や口元に薄いアザが見られ、暴力を受けた可能性が疑われていた。
ライブ配信では額のアザを心配され、彼は「もし僕が突然いなくなったら、それは絶対に事故じゃない」と語っており、これは沈嶸が受け取った「危険の予兆」と符合すると受け止められている。
■ 霊媒たちが一致して語る「真相」
英国、米国、台湾──異なる国、異なる宗教背景、異なる技法。
それでも、于朦朧の死について霊媒・命理師・EVP(電子音声現象)がほぼ同じ核心部分を指し示したという点は、議論を大きく揺さぶっている。
彼らが共通して伝えたのは、次のような内容である。
「死因は事故でなく意図的殺害(生贄・儀式の要素含む)」
英国のタイ・ウィリアムは「生贄として殺された」という声を受け取ったと述べ、 米国のカンディス・スターはEVP録音で「殺された」「罠だった」という語を確認したと語った。台湾の命理師・沈嶸も 「自殺の波長ではない」「暴力と陥れの痕跡がある」と読み取っている。
「長期間の暴力・性的搾取・監禁」
タイ・ウィリアムは「19歳から続く性的暴行」や「奴隷契約」を訴える声を受け取ったとし、
カンディス・スターは「痛み・拘束・薬物・叫び」の反応を受信したと述べた。
沈嶸は「暴力・性的暴行の気配」を感じ取ったという。

「儀式・献祭・エネルギー搾取」の共通構図
馬先は古典玄学の観点から、 実際の映像に見られた不可解な行為が「生贄儀式の構造に一致する」と説明。 タイ・ウィリアムもミス・ディーンも「儀式」「利用」「犠牲」という語を繰り返し受け取ったと語った。204檔案のEVPでも「儀式」「犠牲」という語が頻繁に現れた。
「于朦朧は危険を事前に察知していた」
沈嶸は「命の危険を前から恐れていた信号」を読み取り、 204檔案の録音でも「罠だった」という声が繰り返された。生前、本人がライブ配信で「もし僕が突然消えたら、それは絶対に事故じゃない」 と語った事実とも一致する。

「背後に組織的なネットワークが存在する」
タイ・ウィリアムは「47〜48人が拘束されている」と警告。ミス・ディーンは「3〜4カ所の地下施設」が霊視で繰り返し現れたと述べ、カンディス・スターは複数の実名が通霊中に現れたと報告した。204檔案では最大の黒幕について質問するとEVPで「習近平」という声が記録されたとされる。

方法も国籍も経験も違う5者が、同じ構図──「監禁」「利用」「儀式」「犠牲」「組織的搾取」──にたどり着いたという偶然は、あまりにも重い。
霊媒たちの証言は科学的に検証できない。しかし、全く異なるルートが同じ地点を指し示すという事実が、市民調査チームやネット上の考察をさらに加速させている。

于朦朧の死をめぐる情報は、地上の証言、映像、痕跡、そして霊媒を通して届いた断片が別々の場所から少しずつ集まり、やがて一枚の「絵」となって輪郭を現し始めている。
それは、公式発表が語る「偶発的事故」とはあまりにも遠い姿である。
いま起きているのは、誰か一人の力ではない。警察でも、メディアでも、政府でもない。名もなき人々の粘り強い追跡が、地上と霊界双方から「真実」を浮かび上がらせている。
そしてこの動きはまだ終わっていない。むしろ、ここからが始まりだ。
断片は必ずつながる。その縫い目のどこかに、真相がある。

五 「霊界ブーム」
事件以降、中国語圏ではかつてない「霊界ブーム」が起きている。
動画サイトには新たな霊媒師やEVP研究者が次々と登場し、ファンたちは夜通し配信を見守る。
「彼の霊が現れた」「夢でメッセージを受け取った」そんな声がSNSを埋め尽くす光景は、かつての中国語圏では考えられなかったものだ。
無神論の人々は笑い飛ばすが、事実を知ってなお沈黙するのか、それとも声を上げるのか――その選択が善と悪を分ける「試金石の事件」として語られている。



結び
若い俳優の死をきっかけに、地上と霊界の双方が国境すら越え、同じ一点へ向かい始めたという現象は、もはや無視できない。
霊媒たちが伝えたように、于朦朧はこう語ったという。「自分はまだ転生しない。霊界にとどまり、みんなと共に正義を求めている」
今起きているのは、地上と霊界が「手を組んだ」前例のない追跡である。


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