中共海軍最新鋭艦が大隅海峡通過 小泉防衛相「軍事活動活発化」と警鐘

2025/11/15 更新: 2025/11/15

防衛省は11月12日、中国海軍のミサイル駆逐艦1隻、フリゲート1隻、補給艦1隻の計3隻が、鹿児島県の口永良部島西方海域から大隅海峡を東進し、太平洋へ向けて航行したことを確認したと発表した。海上自衛隊は護衛艦やミサイル艇、掃海艇を投入し、警戒監視と情報収集を実施した。

確認された艦艇と航行経路

11月11日(火)午前5時頃 

 口永良部島の西約120kmの海域で、中共海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号103)を東進中に確認。その後、大隅海峡を通過し太平洋へ向かった。

同日午後1時頃  

 口永良部島の西約60kmの海域で、中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号547)およびフチ級補給艦(艦番号902)を東進中に確認。これら2隻も大隅海峡を通過し、太平洋へ航行した。

自衛隊の対応

海上自衛隊は以下の部隊を動員し、警戒監視・情報収集活動を実施:

第11護衛隊「ゆうぎり」(横須賀) 
第3ミサイル艇隊「おおたか」(佐世保)  
第1掃海隊「あわじ」(横須賀)

艦艇の概要と今回の動き

レンハイ級ミサイル駆逐艦(103番艦:鞍山)

中国海軍の最新鋭駆逐艦。ステルス設計で、対空・対艦・対潜能力に優れ、112セルの垂直発射システム(VLS)を搭載。後部甲板ではZ-80ヘリ2機を運用可能。

ジャンカイ(江凱)Ⅱ級フリゲート(547番艦:臨沂【リンイー】

多目的フリゲート。対空ミサイルや対潜ヘリコプターを運用可能。

フチ級補給艦(902番艦:東平湖)

遠洋補給能力を有し、長期間の艦隊行動を支える。

3隻は編隊を組んでいたとみられ、補給艦を伴う遠洋展開訓練の可能性が高い。大隅海峡は日本列島と沖縄を結ぶ戦略的要衝であり、中国海軍は近年、このルートを通じた太平洋進出を繰り返している。

小泉防衛大臣の指摘

小泉進次郎防衛大臣は11月14日、X(旧Twitter)で今回の動きに言及。「今回確認したレンハイ級は、中国海軍最大規模の駆逐艦です。対艦弾道ミサイルや巡航ミサイルなど様々なミサイルを発射する能力を持ち、ヘリコプターも搭載可能な最新鋭の駆逐艦です」と説明した。

さらに大臣は、「中国は5日には、これまでの2隻よりも大型で、固定翼早期警戒機などを運用可能な電磁カタパルトを装備しているとみられる、3隻目の空母『福建』を就役させました。こうしたことから分かるとおり、中国は十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に増強させつつ、我が国周辺における軍事活動を活発化させています」と警鐘を鳴らした。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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