太陽光発電にまつわる警鐘 拙速な市場投入で無駄になった数十億ドル

2025/11/17 更新: 2025/11/17

1970年代後半には、映画監督オーソン・ウェルズが出演したワインのCMが話題を呼んでいた。彼は「性急にしたら良いものはない」と我々に思い起こさせ、後に有名なキャッチコピーとなった「機が熟すまで、我々はワインを売らない」という言葉で締めくくった。

現在、補助金がなくなる前に太陽光産業を確立しようとする競争において、最大かつ最も議論されていない問題の一つは、製品が完成する前に市場に急いで投入したと言える点だ。建設が専門知識を追い越しており、間もなく時代遅れに陥る太陽光装置に数十億ドルを投資する可能性がある。

アメリカ国内だけでも100万エーカーを超える農地に太陽光発電所が急ピッチに設置され、さらに世界中でも数えきれないほどの施設が作られているが、配備計画、既存の電力網との機能連携、最終的な廃止と処分といった長期的な計画は比較的不足しているように見える。

現代の太陽光発電装置は比較的新しい発明であり、多くの場合、研究と改良の段階のものだ。それにもかかわらず、完成された技術であるかのように、巨大なソーラーパネル群の柱を設置し、広大なトウモロコシ畑や小麦畑、大豆畑が置き換えられている。

太陽光製品を急いで市場に投入した愚かさを示す鮮明な例が最近浮かび上がった。モハーベ砂漠のイヴァンパー太陽光発電施設は、2010年~14年にかけて22億ドル(うちオバマ政権エネルギー省による16億ドルの3つの連邦ローン保証)を投じて建設したが、最近のニューヨーク・ポスト紙の記事によれば「太陽光エネルギーを効率的に発電できなかったため、2026年に閉鎖予定」になっている。

「施設の5平方マイルの砂漠には約17万3500枚のヘリオスタットが設置され、最大限に太陽光を集めるようコンピューターで調整していた」「コンピューター制御された鏡は、日光を反射し、設備の一部では1千度に達する温度を生み出すことができた」

「その原理は、太陽を利用して熱源を作るということだった」と代替エネルギーコンサルタントのエドワード・スメロフ氏はポスト紙に語った。「鏡は太陽の熱を塔の上に設置した受熱部に反射し、そこの液体を加熱する。蒸気を作り、その蒸気が通常の蒸気タービンを回す。複雑なのだ」

しかし技術の進歩は急速で、イヴァンパータワー施設は「より新しく、より安価な太陽光発電方法と競争できなかった」とポスト紙は報じている。その結果どうなったのだろうか?「グリーン化」への無謀な急ぎが、またしても赤字のプロジェクトに終わった。

現代の太陽光技術はまだ発展途上で、完成からはほど遠い。例えばメタル・テック・ニュースによれば、メキシコのケレタロ自治大学では現在「標準的な太陽光変換効率の2倍以上を有用な電力に変換可能な新型薄膜太陽電池設計」を研究している。

この技術は「地球上に豊富に存在する無毒な素材のみを使用し、太陽光産業を再構築する可能性がある画期的な技術」であり「環境に優しく、大規模製造にも適した応用が可能」とする。

「効率が高いということは、同じ量の太陽光でより多くの電力を生み出せるということであり、利用可能なスペースが限られている場合や、エネルギー出力を最大化する必要がある場合には極めて重要だ」と記事は指摘している。

別の革新技術として「両面受光型(バイフェイシャル)パネル」が挙げられる。これは「モジュールの表と裏の両面で日光を取り込む」ことで、「地面や水面、周囲の構造物など、さまざまな表面から反射した日光も利用して発電量を増やす」仕組みだと業界レポートは説明している。

言及していないのは、そのような画期的な技術革新によって、既存の太陽光発電設備の多くが時代遅れの技術で稼働していることだ。もし忍耐強く研究を続け、より完成度の高い製品を市場に投入していれば、より多くの電力を生み出せていたはずだ。

確かに、技術は常に進化し、自動車から電子レンジ、携帯電話、ノートパソコンに至るまで改善が続いている。しかし、税金によって支えられた巨額の補助金を受けながら、まだ発展途上の太陽光発電製品は、製造・設置・実装へと急ぐ分野がほとんどない。

さらに懸念するのは、このような緊急性が必要ないという事実だ。従来型の手頃な化石燃料、特に天然ガスは、少なくとも今世紀末までは十分なほど豊富に存在する。もっと時間をかけて研究を進めていれば、太陽光エネルギーはいつの日か、より効率的かつ費用対効果の高い形で導入された可能性がある。

その際には、現在必要とする面積のごく一部で済むかもしれない。こうした先見性により、農業用地をより多く保全し、太陽光発電所が廃止段階に達した際の潜在的なブラウンフィールド被害を最小限に抑えられるだろう。

太陽光産業は、政府補助金なしでも経済的に成り立つ、検証済みで完成度の高い製品のみを市場に投入すべきだ。エネルギー・環境法研究所の上級研究員スティーブン・ミロイ氏は、イヴァンパー太陽光発電所の失敗を引き合いに出しながら「税金に依存するグリーンプロジェクトで、経済的にも環境的にも合理性のあるものは一つもない」と述べている。

「再生可能エネルギー」部門はワイン醸造業界から教訓を学び、時期尚早な太陽光発電設備の設置を控えることを約束すべきである。

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