Cloudflareの障害でXやChatGPTなど世界的サービスが一時停止。日本語版大紀元も影響を受けた。障害は技術的エラーが原因で、Cloudflareは復旧策と今後の方針を発表。

世界的なネットワーク基盤企業Cloudflareは11月18日、深刻な内部サービス障害を引き起こし、X（旧Twitter）、ChatGPT、Spotifyなどの主要ウェブサイトやインターネットサービスが大規模に停止した。それにより、世界中の利用者に影響を及ぼした。

現在、Cloudflareはサービスの全面復旧を完了し、障害発生の原因を公表した。日本語版大紀元のウェブサイトも本障害の影響を受け、18日夜には一時的にアクセスできない時間帯があった。

Cloudflareのネットワークは、世界のインターネットトラフィックの約5分の1を処理している。同社によれば、今回のサービス停止はアメリカ東部時間（ET）午前6時30分頃（日本時間18日20時30分）に発生し、外部からのサイバー攻撃によるものではなく、内部の技術的なエラーが原因であった。具体的には、潜在的なセキュリティ脅威を管理する目的で自動生成された設定ファイルが、運用中に過度に肥大化したために問題が生じた。

この肥大化したファイルが、Cloudflareの複数サービスでトラフィック処理を担うソフトウェアシステムを停止させ、多数のサイトで「500エラー（Internal Server Error）」が発生する結果となった。

影響を受けた主なプラットフォームは、SNSのX、AIサービスのChatGPT、音楽ストリーミングサービスのSpotify、ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」、映画レビューサイトのLetterboxdなどである。弊社のニュースサイトも影響を受け、18日夜には一時的にアクセスできなくなった。

Cloudflareは、「これが攻撃や悪意のある行為によるものであることを示す証拠は認められず、ユーザーデータの安全には問題はない」と説明した。

ウェブサービスの障害を監視するDown Detectorも影響を受けており、障害の広範な影響を間接的に示した形である。

今回の障害は、今年初めや昨年にも発生した大規模なインターネット障害と類似している。先月にはAmazonのクラウドサービス（AWS）が停止し、SnapchatやRedditなど数千の人気ウェブサイトやアプリが利用不能になる等、世界的な混乱が生じた。

「トラフィックの異常な急増」

今回の障害は内部的な要因によるものであるが、Cloudflareは以前から特定サービスへの「トラフィックの異常な急増」を観測しており、それによってネットワークを通過する一部のトラフィックにエラーが発生していたとしている。

Cloudflareはすでに修復策を実施し、サービスの全面復旧を宣言したが、一部顧客では完全な通常レベルに戻るまで、依然として通常より高いエラー率が続く可能性がある。報道時点で、問題報告件数はピーク時の1万1千件超から大幅に減少している。

同社は今後もこの問題の調査を継続し、より詳細な分析報告を後日公表する予定としている。

Cloudflareはコンテンツ配信ネットワーク（CDN）、ネットワークセキュリティ、DDoS攻撃の緩和などのサービスを提供するアメリカ企業である。過去24時間以内に、AIプラットフォーム「Replicate」の買収を発表しており、自社の「Worker」プラットフォームをAIアプリケーション展開のリーディングプラットフォームへと育成する方針である。