日本で金密輸の急増 背後に広がる地下資金循環への警戒

2025/11/28 更新: 2025/11/28

金価格の高騰を背景に、日本への金の密輸が3年連続で急増している。片山さつき財務大臣は28日、税関で申告のない金について没収を可能とする制度改正を明らかにした。不正薬物以外の没収対象化は初めてであり、財務当局が金密輸を従来より深刻な脅威と捉えていることがうかがえる。

同日開かれた全国税関長会議で片山大臣は「税関制度の根幹を揺るがしかねない事態」と述べ、取り締まり強化を指示した。さらに密輸利益が犯罪組織の資金源となる可能性に言及し、罰金額を時価相当に引き上げる方針も示した。

金密輸は近年、海外と日本の価格差や消費税制度の隙を突いて利益を得る差益目的の不正輸入が問題視されていた。こうした状況を受け、本人確認や取引記録を残すなど金取引の管理が強化され、追跡が可能となったため、申告されずに持ち込まれた金は正規流通ルートでは換金することが難しい。

密輸された金は裏社会の買取業者や組織的ネットワークを経由し、資金洗浄や他の犯罪の資金循環へ流れる懸念も高まる。水際対策が機能しなければ、日本が国際犯罪の換金ルートとして取り込まれる恐れも否定できない。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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