官房長官 日銀短観受け景気回復認識 金融政策は「賃金上昇伴う2%物価安定」期待

2025/12/15 更新: 2025/12/15

官房長官は2025年12月15日の記者会見で、同日公表された日本銀行の12月調査である日銀短観の結果について言及し、景気が緩やかに回復しているとの政府認識と齟齬(そご)がないとの見解を示した。

日銀短観の調査結果によれば、企業の業況判断は堅調に推移している状況が確認された。業況が良いと回答した企業の割合から悪いと回答した企業の割合を引いた業況判断DI(Diffusion Index)について、大企業製造業ではプラス15となり、前回9月調査に比べて1ポイント上昇し、3四半期連続の改善となっている。また、大企業非製造業ではプラス34と、前回9月調査から横ばいを維持し、高水準を維持しているものと承知していると述べた。

さらに、景気の先行きを示す指標として、2025年度のソフトウェア研究開発を含む設備投資計画が、大企業全産業で前年度比プラス10.8%と見込まれている点にも触れた。雇用情勢については、大企業全産業の雇用人員判断DIがマイナス28であり、人手不足感が強い状況が続いているものと認識している。

官房長官は、こうした調査結果を総合的に判断し、「景気が緩やかに回復しているとの政府認識と齟齬がない」との見解を改めて示した。

金融政策への期待については、その具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきであるとの立場を示した。その上で、日銀に対しては、引き続き政府と密接に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切な金融政策運営を行うことを期待しているとした。期待する目標として、コストプッシュではなく賃金上昇も伴った2%の物価安定目標の持続的かつ安定的な実現を挙げた。

また、政府自身の今後の経済政策運営については、先般策定した総合経済対策に基づき、「責任ある積極財政」の考えの下、大胆かつ戦略的な危機管理投資と成長投資を進めることで、潜在成長率を引き上げ、強い経済を実現していく所存であると述べた。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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